◆医療に背を向け、体質改善

巷ではそうした健康家電を売る医師はめずらしくなく、それ自体が違法というわけではないが、「威圧的に買わせようとする」というやり口に問題があるのは明白だ。

そのような出来事を経てナオさんは、医療全般を否定するまでには至らなかったものの、化学物質過敏症に関しては、「自分でできる範囲で体質改善法」を目指すことにした。

化学物質過敏症沼202407
一般に、代替療法や民間療法を選ぶ人に「病院で嫌な目にあった経験がある」とはよくある話だが、ナオさんも同じ道筋をたどったのだった。

今回の体験談は治療内容や診察態度の是非を問うものではなく、民間療法に流れていく典型的なケースとして、ご紹介した。その後ナオさんがどのような民間療法にハマったかは、また次の機会に。

<取材・文/山田ノジル>

【山田ノジル】

自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru