ギリシャ人の男性に人気の名前TOP11!
まず初めにギリシャ人男性に人気の名前をランキングで紹介します。聖人や歴史上有名な王様の名が付けられていることが多いです。同じ名前を持った人が多いことから、「ネームデー(同じ名前の聖人の記念日)」を盛大に祝う習慣もあるそうですよ。
第11位:ヤニス
ギリシャ語の男性名でイオアンニスの異形にあたります。聖人ダマスコスのイオアンニスは、キリスト教の聖人でギリシャ教父のひとりです。ダマスコのヨハネや、ダマスコスのヨアンネスと表記されることもあります。
聖像破壊運動を反対する論陣を張った存在で、ギリシャ語での神学書物や聖歌作曲などで知られています。正教会でも極めて重要な聖人であったことから、日本正教会にも表記が残っているそうです。
第10位:エヴァンゲロス
「良い」と「使者、天使」という意味を組み合わせて「良い知らせをもたらす使者」という意味を持つ名前です。英語では「evangel」に新約聖書の福音書という意味があります。
エヴァンゲロスの名を持つ有名人には、エヴァンゲロス・カツイオウリスがいます。ギリシャの医学博士であり精神科医で、国際高知能者組織の「ワールド・インテリジェント・ネットワーク(WIN)」やギリシャ天才児支援組織「AAAA.GR」の設立者です。
第9位:アサナシオス
ギリシャ人に多く見られる男性名で「不死の者」という意味を持ちます。古典ギリシャ語再建音ではアタナシオスと呼ばれます。
もっとも著名な人物には、アリウス派に反駁をした聖人アレクサンドリアのアタナシオスが存在します。日本正教会では聖大アファナシィと呼ばれています。
キリスト教では彼の指導の下で「父なる神と子なる神であるキリストは同本質」と唱えるアタナシウス派が生まれました。アリウス派に対抗して、後にキリスト教主流派として正統に認められています。
第8位:ヴァシリオス
「王」を意味するギリシャ語の男性名で、古典ギリシャ語再建音ではバシレイオスです。日本正教会ではワシリイと表記されています。著名なのは聖人カイサリアのバシレイオスでしょう。ギリシャ教父で4世紀に存在した重要なキリスト教神学者のひとりです。
カイサリア(=カイセリ)の主教を務めたことからこの名が付きました。聖人概念を持つすべての教派で崇敬され大バシレイオスとも呼ばれています。三位一体論の形成など異端反駁して、正教会で用いる聖体礼儀の奉神礼文を整備したことで知られています。
第7位:パナヨティス
ギリシャ語の男性名で「すべての聖人、聖母マリア」を意味します。「聖子(=イエス・キリスト)」を意味しているともいえるでしょう。男性はパキス、タキスといった愛称で呼ばれることもあります。
女性にも名付けられることがある名前です。ただし、響きが好ましくないのか、テタ、ヨタ、ノタ、ペニーといった愛称で呼ぶことが多いようです。
第6位:フリストス
現代ギリシャ語で「膏(あぶら)を注がれた者」を意味します。日本のキリスト教では正教会でハリストス、西方教会でキリストと呼ばれます。多言語でもキリストを指して「フリストス」と呼ぶことから、洗礼名で使われることはありません。
フリストスの名を持つ有名人には、1985年から1990年までギリシャ大統領を務めたフリストス・サルゼタキスや、アテネ出身のサッカー選手フリストス・パツァツォグルが挙げらえます。
第5位:ニコラオス
ギリシャ語の男性名で「勝利」と「人々」が組み合わさって、「人々の勝利」や「人々に対する勝利」といった意味を持ちます。著名なのは聖人には、ミラのニコラオスが挙げられます。キリスト教の主教であり神学者です。
ローマ帝国リュキア属州の村に生まれてミラの大主教を務めました。聖人の概念を持つすべての教派で聖人と崇敬されている存在です。正教会ではキリスト教生活を体現した崇敬され、西方教会では「無実の罪に苦しむ人」の守護神とされています。
第4位:イオアニス
ギリシャ語読みでイオアニスもしくはイオアンニス。ランキングの第10位:ヤニスの異形で紹介したイオアンニスを指します。著名な聖人はダマスコスのイオアンニス(イオアン)、次に知られているのはヨアンネス・クリマコスでしょう。
7世紀に活躍したキリスト教の著述家であり修道士です。主著には現在も読まれている教訓書「天国への階梯」があります。正教会非カルケドン派のカトリック教会の聖人で、正教会に重要視されてヨハネ・クリマスコスとも呼ばれています。
第3位:コンスタンディノス
ラテン語のコンスタンティヌス、英語のコンスタンティンに該当してします。コンスタンスやコンタスと略されることも多いです。
歴史的著名人には、ローマ帝国王朝のひとつコンスタンティヌス朝(307~363年)創始者であり大帝と尊称されたコンスタンティヌス1世がいます。ローマ帝国初めてのキリスト教信仰者で、キリスト教を公認したことで主要な宗派において聖人としされています。
その他に、1913年にギリシャ国王の在位したコンスタンティノス1世は、アテネで開催された第1回近代オリンピックの実行委員会を指揮したことで有名です。
第2位:ディミトゥリス
ギリシャ人の中でも多い名前で、街で「ディミトゥリス」と呼べば数人が振り向くといわれています。ディミトゥリスもしくはデメトリオスと呼ばれ、ディミトリスという異形も存在します。
ディミトリオスは正教会の聖人・大致命者を指します。信仰のために余生を捧げ苦難を受けた中でも、大きく長い苦しみを受けたものが与えられる正教会の聖人称号のひとつです。
第1位:ヨルゴス
ヨルゴスは古代ギリシャ語で「大地で働く人(=農夫)」を意味するゲオルギオスの変形です。キリスト教の聖人ゲオルギオスは、古代ローマ末期の殉教者で、ドラゴン退治の伝説を持つ有名人です。キリスト教の聖人伝説「黄金伝説」にも聖ゲオルギオス伝承が記載されています。
イングランド、ジョージア国、モスクワでは守護聖人とされ、西方教会では十四救難聖人のひとりに数えられています。東西問わず各地の兵士・兵器工、旅行者、農民から守護聖人として愛されています。