◆人物の印象が大きく変わっていく物語

『欲しがるあの子を止められない とんでもないクレクレちゃんに絡まれた結果、 人生を深く考えた話』(KADOKAWA)
『欲しがるあの子を止められない とんでもないクレクレちゃんに絡まれた結果、 人生を深く考えた話』(KADOKAWA)
――チコちゃんは、頻繁すぎる「一口ちょーだい」を友達に注意されると「一口が惜しいとかちょっとケチやな…」とまさかの返しをしてしまうなど、少し困ったキャラクターとして描かれています。しかしその後の展開で彼女の過去が描かれることで、印象が大きく変わっていきます。読者の反応はどうでしたか?

ぱん田:最初はチコちゃんに対して「このクソ女!」などの過激なコメントがブワーっと溢れていました。でもチコちゃんの過去を描いているうちに「チコちゃんは大変だったんだね」と理解をしてくれる声が増えて、最終的には「チコちゃん頑張れ! あなたなら変われるよ」「登場人物全員が好きです」と応援してくれるように反応が変わっていって、私としては描いていてすごく楽しかったです。

――切り取り方で印象が180度変わってしまうんですね。

ぱん田:でも、それが嫌だと感じる方もいるようで、コメント欄で物議を醸しているところでもあるんです。

 例えば、最初の頃にチコちゃんに対して「この女は腹が立つ」とコメントをしてしまって、後にその過去が描かれることで「最初の頃に批判的なコメントを書いてしまった自分が罪深く感じるので、この人の漫画は好きじゃない」という方もいます。

「悪役はずっと悪役でいてほしい」という方もいるみたいです。でも私は読者の感じ方が変わっていくのが楽しいし、感想が変わるのは全然悪いことじゃないので罪悪感なんて持たなくていいのになと思っています。