「犬派か猫派か」という議論は動物好きの間では普遍のテーマですよね。犬派の中には「犬は猫に比べて感情が豊かでかわいい」と思う方も多いはず。逆に猫のミステリアスな部分が好きという猫派の方も多いのではないでしょうか。でも、実はよく観察すると猫も意外に感情が体に現れているのです。
『新装版ネコの気持ちがおもしろいほどわかる本』では、知ると愛猫のことがもっと好きになってしまう、猫の本音がチラ見えするしぐさを紹介しています。今回は本書より、猫のしぐさを紹介します。
(本記事は、同書より抜粋・再構成したものです)
◆しぐさ①:突然の大あくびは“やる気まんまん”のサイン
ネコは飼い主と一緒になって遊ぶのが大好きです。でも、いつもいつも飼い主さんが相手をしてあげられるわけではありませんよね。するとネコは自分なりの遊び方を見つけます。
たとえば、ラグマットの端に爪をひっかけて持ち上げ、めくれた部分がパタッと床に落ちることを発見すると、何度も繰り返してはパタッパタッと音を立てさせたりします。そんな、人間から見ればたわいもない行為ですが、夢中になったネコはいつまでも熱心に続けます。
あきれながらも微笑ましく見ていると、そんな遊びの途中、急に動作をやめて横を向いたかと思えば、大あくびをすることがあります。
一見、その単調な遊びに飽きて眠くなったかのように思えますが、あくびをしたからといってネコが退屈になったわけではありません。それどころか逆に、やる気を出したサインなのです。
おそらくあくびをしたネコは、その後、単純なラグマットめくりから、室内を走り回る運動会にでも発展していくことでしょう。
彼らのあくびは人間のように、眠くなったときや、暇をもてあましたときに出るものではなく、「やるぞ!」とばかりに気合を入れるときに出るしぐさなのです。それが遊びの途中に出るあくびだと考えられます。
それと同様に、今まで眠っていたネコが起きたとき、必ずまず最初にするのが、前肢を突っ張って体を伸ばしながらする大あくび。これは「さて、たっぷり眠ったし、そろそろ運動を始めようか」というサインなのです。
人間からすると、「あれだけ眠っておいて、まだ眠いの?」などとあきれてしまいがちですが、それは大きな誤解です。やる気マンマンのネコの誘いを受けて立ち、たっぷりと遊んであげるといいでしょう。