「子育てが大変なのは当たり前」
夫の主張は、「子育てが大変なのは当たり前で、それを頑張るのは母親として当たり前。そんなことも想像しないで産んだのか」ということだそう。これはあおいさんだけでなく、全国で奮闘する母親たちを敵に回すような発言でしょう。そもそも2人の子どもなのですから、育児も2人でするべきなのに…。あおいさんに任せっぱなしなうえに、ひどい言葉をかけるなんて、信じられません。
「『大変だね』とか『おつかれさま』とか、ちょっとしたねぎらいの言葉だけでももらえたら、それでよかったんです。ママ友ともあまり話せず、つらい状況だったので、本当に苦しかったです」
誰にも相談できず、メンタル不安定に…
その後、ウツ気味になってしまったあおいさん。心療内科に通い、カウンセリングを受け、薬を飲んでいた時期もあったといいます。
「いちばん理解してほしかった主人にひどいことを言われて、誰にも相談できずふさぎ込む日が続きました。思い返せば、子どもが小学校中学年くらいになり、少し手が離れるまではずっとメンタルが不安定だったと思います」
そんなあおいさんの子どもも徐々に成長し、いまも慎重な性格ではあれど、友達もできて、元気に学校に通っているそうです。
辛い時期を乗り越えても、忘れられないあの言葉
「昔のような、誰にも相談できない状況ではなくなり、わたしも趣味などで自分の時間も楽しめるようになりました。けれど子どもの昔の写真を見ると、辛かった思い出も一緒によみがえってくることがあります」
このことは、“人生で最も怒りを感じた瞬間”として、子どもが大きくなったいまでも忘れられない言葉としてあおいさんの心に残っているようです。
「ときどき、このとき言われた言葉を思い出して、主人に対して、とてつもない怒りが湧き上がってくることがあります。反芻しても仕方がないけれど、やっぱりこのことは一生許せないと思います」
しかし、いまは夫にこのことを伝える気はないそう。その代わり考えていることがあるとか。
許せない発言は、夫の死後に精算?!
「主人はこの発言を忘れていると思います。他人の気持ちが分からず、何の気なしにひどいことを言う人ですから。だから、いまそのことを主人にぶり返しても平行線なだけなので持ち出すつもりはありません。その代わり、もし主人がわたしより先に亡くなったら、その件については許せなかったといって、お墓に泥を投げつけるつもりです。もちろんそのあと掃除はするつもりですが(笑)」
とんでもない決意をしているあおいさんですが、ひとつだけ懸念があるそう。
「ただ、主人は健康オタクで長生きしそうなんですよね(笑)。わたしが先に死んだら、この怒りを持ったまま死ぬのかな、と思うと無念です」
命を懸けて育児をしているママにとって、誰よりも理解者であってほしい夫。そんな夫の心ないひとことは予想以上に傷つくものです。あおいさんの怒りが、いつか良い形で昇華してくれればよいのですが…
―シリーズ「人生で最も激怒した瞬間」―
<文/塩辛いか乃 イラスト/とあるアラ子>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
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