正面の左側に社務所があり、鳥居をくぐってすぐ左手に祓戸神社(はらえどじんじゃ)。その脇に愛宕神社の鳥居があります。少し進むと右手に御神木である三本杉が空に向かって真っすぐに伸びています。

樹齢約600年、幹回り約9m、高さは約50m。 その名の通り地上3mから3本に分かれているのが特徴で、茨城県指定の天然記念物であり、林野庁の「森の巨人たち百選」に茨城県内で唯一選ばれています。三本杉のそばに楼門(大仁王門)があり、阿吽の仁王像が安置されています。楼門は、神仏分離の際、取り壊されましたが、1991年(平成3年)に再建されたものです。

先に進むと、神仏習合の施設、斎神社回向殿(さいじんじゃえこうでん)になります。回向殿のご本尊は木造の阿弥陀如来坐像で日立市指定文化財になっています。天井画の「御岩山雲龍図」は、2016年(平成28年)の秋に行われた茨城県北芸術祭の作品で岡村美紀氏により描かれたものです。

さらに奥に御岩神社の拝殿、本殿があります。霊験あらたかな神社として、心願成就、家内安全、病気平癒、厄除開運など様々なご利益があるとされています。

境内の自然美も

境内には、水戸黄門でおなじみの2代藩主徳川光圀公が、大日本史編さんの筆染めの儀を行い、完成を祈願したとされる池があり歌碑も建立されています。ぴんと張りつめた空気の中に立つ杉木立や、艶やかに光り木々や石を覆う苔の美しさにも心が落ち着くような不思議な空間です。

3月中旬から4月初旬には水芭蕉の群生が、4月中旬から5月初旬にかけては、ピンクの花を咲かせる石楠花も楽しめます。回向殿手前左側に表参道の登山口の鳥居があり、そこからは標高530mの御岩山への登拝が楽しめます。

御岩山には、表参道と裏参道があり、片道約60分と言われ、登拝を楽しむ人々も多く訪れています。登拝時間は午前6時から午後3時までとなっています。駐車場から御岩神社の本殿までも、結構長い参道があることから、登拝の予定がなくても歩きやすい靴をおすすめします。