かつての子役が、十分大人になった姿で登場してくれると、何だかそれだけでうきうきしてくる。

『虎に翼』(NHK総合)に出演する今井悠貴はまさにそんなひとり。うわぁこんなに大きくなったんだなと感嘆しながら、子役時代の出演作を思い出して懐かしくなる。

 イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、かつての子役俳優・今井悠貴について解説する。

◆役柄と俳優自身が重なるダブルミーニング

『虎に翼』© NHK
『虎に翼』© NHK
『虎に翼』第20週第96回から主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)が、中学生になった娘・優未(毎田暖乃)を連れて新潟から東京に戻ってくる。登戸の実家では、無二の親友で義姉でもある猪爪花江(森田望智)が鼻歌るんるんで夕食を作りながら寅子たちの帰りを待っている。

 久しぶりの一家団らん。でも、顔ぶれがちょっと違うぞ。猪爪家の構成員が変わったわけではない。花江の長男と次男がそれぞれ大学生、高校生に成長している。合わせて子役たちも変わっている。

 注目は、次男・猪爪直治を演じる今井悠貴だ。ギラッと輝く目と中太くらいの眉毛、それから終始にやけたような愛くるしい表情のこの俳優を見て、無性に懐かしさ感じる。それは役柄と俳優自身の成長が重なるダブルミーニングとしての懐しさだ。

◆かつての子役によるヒット曲

「もっこりもっこり まりまりもっこり……」

 記憶の奥からこのメロディと歌詞が引っ張り出される。ご当地から空前のブームになった北海道のマスコットキャラクター「まりもっこり」のテーマソング「こりこりまりもっこり」だ。

 3人組の小学生ユニット「CORICORI」による同曲がリリースされたのは2008年。今井はゆうキングと称してセンターで歌い踊った。

 かつての子役ヒット曲なら、芦田愛菜と鈴木福のユニットが歌った「マル・マル・モリ・モリ」が2011年リリース。曲名の響きがよく似ているが、「こりこりまりもっこり」には可愛らしさだけでなく、独特なご当地感と中毒性のあるキャラの魅力が潜在意識に働きかけてくる刺激があった。