◆別れることはできたものの…
政樹さんに「お前みたいなルックスが中の下の鈍臭(どんくさ)い女と付き合ってやっていたのに、恩をアダで返すなんて最低だな。もう話すだけ時間の無駄だから2度と俺に関わらないで」と罵倒されましたが、すぐに別れることができて、涼子さんはホッとしました。
「もっと酷いののしり文句が日常茶飯事だったので、こんなのはカラスがカアカア鳴いている位にしか感じませんでした。むしろ、こんなんで済んでラッキー!という感じでしたね」
そして、政樹さんと別れて1ヶ月後に涼子さんはあることを思い出したそう。
「おばあちゃんの形見である、大切な指輪を政樹の部屋に置いてきてしまったことに気がついたんです。あまりのことに頭を抱えてしまって」
政樹さんと半同棲していた涼子さんは、別れ際にサッと自分の荷物をかき集めて「あとの細々したものは全部捨ててください」と言って出てきてしまいました。
「大事な指輪だったのでずっと自宅で保管していたのですが、ネックレスにリフォームしようと思いつき政樹の部屋に一旦持っていってしまったんですよ」
そんな自分の行動をすっかり忘れていた涼子さんは、激しく後悔したそう。
「もう政樹に連絡して取りに行かせてとお願いをするのは嫌だし、でも捨てられてしまったら悲しいし…どうしようかと本当に悩みましたが、やっぱりまた政樹に偉そうにされるのが耐えられないので諦めようとしたんです」
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