お財布の中に入っている小銭。基本的には額面通りですが、モノによっては予想外の値段で売れるかもしれません。最近は電子マネーしか使わないという方も、お財布の中を覗いてみてはいかがでしょうか。
プレミア硬貨とはどんなもの?
プレミア硬貨とは、実際の金額以上の価値がつく硬貨のことです。発行枚数が少ない年度の硬貨や刻印の違いがある硬貨、不良品なのに流通してしまったエラー硬貨、発行枚数が限定された記念硬貨などが挙げられます。今でも流通している硬貨があり、財布の中に入っている可能性もあるでしょう。
1円玉:製造枚数の少ない年は高値が付く
プレミア硬貨として有名なのが、平成23年(2011年)、24年(2012年)、25年(2013年)、29年(2017年)、30年(2018年)に発行された1円玉です。この頃から電子決済の普及により、1円玉の発行枚数は著しく減少しています。
そのため1円玉の希少価値が上がり、状態が良いものだと3,000円前後もの値打ちがつく場合もあるのです。なお、平成28年(2016年)、31年(2019年)も発行枚数は少なくなっています。
ここで、「なぜ平成26年(2014年)、27年(2015年)だけが抜けているのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。平成26年(2014年)といえば、消費税が5%から8%に引き上げられた年にあたります。そのため1円玉の需要が増したことで発行枚数も一時的に増加し、そのぶん希少価値は下がっているのです。
5円玉:「フデ五」には1万円以上の価値も?
現在も使用されている5円玉でプレミア硬貨として挙げられるのが、昭和24年(1949年)~33年(1958年)製造のものです。デザインは現行の5円玉とほぼ同じですが、文字が筆文字のような楷書体で書かれているのが特徴で、「フデ五」とも呼ばれます。
中でも特に価値があるのが、昭和27年(1952年)や32年(1957年)に製造されたもので、状態がよければ1万円以上になるケースもあります。
なお最近の5円玉の中では、平成22年(2010年)~25年(2013年)製造のものが、枚数が極めて少ないプレミア硬貨です。この年代のものも、額面以上の値段で売れる場合があります。
10円玉:昭和61年後期の10円玉は2万円?
10円玉で高値が付くのは昭和61年(1986年)後期のものです。素人目にはわかりにくいのですが、平等院鳳凰堂のデザインが微妙に異なります。昭和62年(1987年)のデザインのものが手違いで製造されてしまったという話しがあり、買取店によっては2万円の高値が付くケースもあるようです。
「ギザ10」と言われる、側面がギザギザになっている10円玉も高値で取引されます。このギザ10は昭和26年(1951年)~33年(1958年)までの期間に製造されたものです。ただ、高値が付くのは状態の良いもので、普通に使われていたものが高値になるかというと難しいかもしれません。
100円玉:あまり高く売れない
100円玉が高値になるのは昭和39年(1964年)と、発行枚数が少ない平成13年(2001年)でした。ただし、かろうじて200円程度の値が付くといったものです。一番使い勝手の良い硬貨だけに、製造枚数も多く価値が付きにくいのでしょう。