京都府南山城村は、「来村者の愛着の醸成によって地域産業、地域活動が活気づく観光むらづくり」を目指して、新たな「観光むらづくり団体」の立ち上げから一緒に取り組む地域おこし協力隊を募集している。

京都唯一の村・南山城村について

南山城村は、京都府の南東部に位置する京都府唯一の村。奈良県・滋賀県・三重県に接しており、北は標高500mの高原、南は宇治茶の生産が盛んな丘陵地が広がっている。

また、村の中央には雄大な木津川の流れとともに国道とJR関西本線が東西を横断しており、自然豊かな環境でありながら都市部からアクセスしやすいのも特徴だ。


主要産業は農業だが、なかでも宇治茶の主産地として古くから良質のお茶を生産してきた歴史がある。

山城地域に点在する日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」の構成資産となっている茶畑風景は、村内の4地域に広がっている。

また、品質の高い茶が集まる京都府の品評会においても、品質の高さが評価されているという。

南山城村産「むら茶」

南山城村には目立った観光スポットが少なく観光協会も存在しないため、これまで観光客の受入れ環境は、ハード・ソフト両面で整備されていなかった。

しかし、2017年にオープンした道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」において、南山城村産のお茶が「むら茶」として商品開発され、お茶の生産を軸とした村の暮らしとともにブランディングされた。

南山城村産のお茶をふんだんに使用した多種多様な飲食メニューやスイーツが強力な誘客コンテンツとなり、関西のメディアで取り上げられる機会も増加。今では、村の産業振興・観光振興の中心的存在となっている。

南山城村が抱える課題

一方で南山城村は、今年、日本創成会議が発表した消滅可能性自治体に名を連ねている。若年層の転出や出生率の低下による少子高齢化の加速が地場産業の担い手不足や、地域コミュニティの希薄化へ波及しつつあるなど、多くの課題に直面している現状だ。