◆裏で「うざい」とバカにしてきたことも
なんとも甘酸っぱい思い出ですが、それだけでは終わりませんでした。
「ある時、同じ学部の友人からLINEのグループチャットを見せてもらったら、男子が私のことを“あいつうざい”と書いてバカにしていたんです」
元カレならまだいいですが、相手にもされなかった男性が同じ社内にいるのが苦痛だったという聖羅さん。そんなある時、またエレベーターで一緒になります。
「このまま相手にされないままでいるのも嫌だったので、勇気を出して“私のこと、覚えていますか?”と話しかけてみたんです。そしたら“人違いじゃないですか”と言うんです」
T君は、見た目に大きな変貌を遂げた聖羅さんにすぐに気づきませんでした。
「外見に気を遣うようになったおかげで、向こうはすごく驚いてくれました。最初は好きだった人が会社にいるのは不運だと思っていたのですが、頑張って痩せたり、メイクを頑張ってきて良かったと思いました」
新しい出会いがある春。昔を知る人たちと再会する機会があっても、たじろがなくて済むようにしたいですね。
―シリーズ「春のトホホエピソード」―
<文/池守りぜね イラスト/ZZZ>