◆千香子さんを変えた、夫のひと言
「夫から『子供がいなかったとしてもそれで家族が成り立たないわけじゃない。妊娠出産も大切だけど、それより君が不安にならない家族の形を一緒に考えようよ』と言われたんです」
夫の言葉で、それまで「とにかく妊娠して出産“しなければならない”」という固定観念に縛られていたことに気づかされたという千賀子さん。
「“~すべき”、“~しなければならない”という考え方は大切なこともありますが、私の出産に対する思いに関してだけ言えば自分自身を苦しめていたんです。
本当に子供が欲しいか、今後どのように生きていきたいか考えて……出産はしないことに決めました。夫婦の生活と仕事に集中して幸せを得たいと思ったんです。選ぶまではたくさん泣いたりもしましたけど、そういう経験も踏まえて『生きていてよかった』と思える人生にしたいです」
千香子さんは葛藤の末、“今あるもの”に集中することを決めたのです。