◆Instagramを消せなかったわけ

そもそもInstagramを始めたのは、まりいちゃんが生まれた頃、海外のダウン症の子どもたちの姿を見たかったため。4歳になり、あまり悩んでいなかった瑞穂さんは、「そろそろInstagramは辞めようかな」と思っていたといいます。

「でも、たまに生まれたばかりのダウン症のお母さんからDMが届くことがあったんです。励ましのメッセージを今送ってもなかなか伝わらないだろう…と思い、自分が乗り越えていった経緯を細かくまとめて参考書のようにステップアップする形で書いてみようと思いつきました」

内容は完全に決まっていたわけではありません。でも、「100のステップを書く!」と先に決めてしまいました。夫に伝えると、「そんなにある!?」と言われ「確かにそうだな……」と思うも、ちょうど英語講師エージェントの仕事が落ち着いていたこともあり、夢中で文章を綴ったと言います。

「等身大の思いを正直に書くことを心がけました。時には泣きながら書くこともあり、だんだん過去の自分のために書いているようにも感じられました。でも、反応はそんなにわからなかったから、こうして見てくれる人がいて、まさか出版の依頼までいただいたことに本当に驚きました」