富山県南砺市に本社を構え、建材向けの高級絹織物「しけ絹」を製造する松井機業は、コクヨと協業し、「しけ絹」を表紙に使用したサステナブルな手帳「しけ絹手帖」を開発。8月7日(水)より、同社の小物ブランド「ヨハナス」のECサイトおよびコクヨ商品取り扱い販売店にて販売を開始する。
美しい模様を浮かび上がらせる「しけ絹」
通常、1頭の蚕が1つの繭を作るのだが、3%以下の確率で2頭の蚕が1つの繭玉を作り出すことがあるのだそう。その繭玉からできる糸(玉糸)を織り上げたのが「しけ絹」だ。
太さが不均一で節がある玉糸で織り上げられた「しけ絹」は、美しい模様を浮かび上がらせる。北陸地域で使用される最高級襖紙として、長年多くの人々の生活を彩ってきた。
デジタルとアナログの融合を実現する「しけ絹手帖」
そんな「しけ絹」を表紙に使用した手帳が「しけ絹手帖」2,200円(税込)。「しけ絹」の独特な風合いを楽しめる。
「しけ絹手帖」は、1~12のインデックス付きで、月毎やテーマ毎に使い分けが可能。また、PCやスマホで管理しているスケジュールをアプリ「KAKIKO カレンダー」を使用することで、手帳サイズに縮小印刷し、手帳にきれいに貼り付けることができる。
「しけ絹手帖」開発の背景
松井機業は、明治10年に創業し、「光をとどける」をビジョンに掲げ、「しけ絹」を製造してきた。しかし、急速な生活様式の変化に伴い、絹織物業者は減少し、2020年には同社が最後の一軒となってしまったという。
そんな同社の倉庫には、小傷などで高級襖紙として使用できず、長年保管されていた「しけ絹」が大量にあった。倉庫に眠る「しけ絹」を新たな形で活用できないかと模索し、創業者のルーツが富山にあるコクヨに相談をしたのだそう。
コクヨは、創業者の生誕の地・富山の伝統を活かしたサステナブルな活動に賛同し、協力を快諾。こうして、同社とコクヨは2年半にわたる試行錯誤を経て、「しけ絹手帖」を完成させることに成功したとのことだ。