金原出版は、婦人科がん(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)の患者やその家族が、治療を受けるにあたって知りたいことについて、正しく・わかりやすく解説した『患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版』(編集:日本婦人科腫瘍学会)2,750円(税込)を刊行し、全国の大型書店や医学書専門書店、ネット書店にて販売している。

また、2024年には、‟患者さんのための遺伝性大腸癌診療ガイドライン(仮題)”の発売を予定しているという。

患者本人に合った治療の選択が重要

インターネットで「子宮頸がん」「子宮体がん」「卵巣がん」と検索すると、さまざまな治療法や情報が出てくるが、そのような情報はすべてが医学的に正しいとは限らないという。また、医療は日進月歩であり、10年前の常識が今は非常識ということも珍しくない。多種多様な治療法を簡単に知ることができる昨今、改めて、最善の治療や診療方法について正しく理解したうえで、医師と相談し、患者本人に合った治療を選択することが重要だという。

標準治療についてわかりやすく解説

婦人科がんの治療には、外科療法(手術)や薬物療法、放射線治療などがあり、実際の治療方針を決める際には、それらの中から患者にとって適切な治療を組み合わせていく。納得して治療を受けるためには、“標準治療”や診療方法について正しく理解したうえで、担当の医師と相談し、自身に合った治療を選択することがとても重要だ。

標準治療とは“並みの治療”という意味ではなく、世界中の臨床試験結果をもとに専門家が討議し、その時点で最善である(=患者に最も効果が期待でき安全性も確認されている)と合意した治療のこと。

同書では、そうした標準治療について知っておくべき内容を分かりやすく解説するとともに、検査結果の見方、妊娠の可能性について、再発予防、ワクチン接種、治療後の生活の注意点など、診療以外にも参考になる情報を多数取り上げている。

同書を活用することで、患者が正しい医療情報を知り、漠然とした不安が解消されるとともに、患者と医療者間のコミュニケーションがスムーズになることが期待される。そして、患者が担当医とともに最適な医療を選択していくうえでも参考となる1冊だ。

(山本えり)