スぺサポは、医療的ケア児とその家族が安心して笑顔で暮らすことのできる社会の実現に向け、医療的ケア児の家族と家族、家族と支援者が繋がるコミュニティサイト「医ケアkidsルーム」をリリースした。

同サービスの提供により、必要とされる情報を持つ家族・支援者と、情報を必要とする家族・支援者のマッチングを促進し、「地域による情報格差」「家族の社会的孤立」といった課題の解決を目指す。

医療的ケア児と家族の現状

日常的に人工呼吸器などの医療機器を使用したり、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要とする『医療的ケア児』。医学の進歩を背景に、医療的ケア児は全国で2万人を超え、10年前の約2倍となっているという。

医療的ケア児とその家族を支援する社会資源は徐々に増えてきてはいるが、家族が気軽に困り事を相談したり、情報交換ができる場所はまだまだ限られているのだそう。

医療的ケア児の家族と支援者向け悩み相談コミュニティ


「医ケアkidsルーム」は、医療的ケア児の家族同士が交流したり、経験豊富な支援者からのアドバイスを全国の家族に届けられる場をつくりたい、という思いからできた医療的ケア児の家族と支援者向けの悩み相談コミュニティだ。

主なユーザー層は、医療的ケア児の家族、医療的ケア児に関わる支援者(医師、看護師、理学療法士、介護福祉士、ソーシャルワーカー、相談支援専門員、介護福祉士、保健師、保育士、教員、行政機関の職員など)となる。

スぺサポの取り組みと「医ケアkidsルーム」開発背景

スぺサポは、医療的ケア児とその家族の暮らしを少しでも豊かにするためのツールやサービスの企画開発をミッションとして2021年9月に設立された非営利法人だ。

2021年に情報収集に苦労する医療的ケア児の家族にかかる負担軽減を目的として「医療的ケアが必要なお子さんと家族のための支援ガイドブック(札幌市版)」の制作を立案し、札幌市を拠点とする稲生会・札幌市医療的ケア児家族会・札幌市障がい保健福祉部と連携のもと同年12月に制作・発行した(累計発行部数5000部)。

このガイドブック紹介のため、複数の病院を訪問し、医師・看護師・ソーシャルワーカーなどに医療的ケア児支援に関する悩みをヒアリングしたところ「患者家族の家での暮らしや福祉サービスに関して殆ど情報を持ち合わせていない」「支援経験が豊富な人材が少ない」という声を多く聞いたという。


2022年には、ガイドブックがない地域にも情報を広く届けていくため、総合情報ポータルサイト「~医療的ケア児との暮らしに役立つ情報をワンストップで紹介するサイト~医ケアkidsナビ」の企画・開発にあたり、医療的ケア児支援に直接的・間接的に携わる支援者88名を対象として「医療的ケア児への支援」をテーマとしたアンケート調査を実施した。

アンケートにおいて「家族同士や支援者が集う掲示板サイトの開発を予定しています。利用したいと思いますか?」と質問したところ、「はい」と回答した支援者が97.7%という結果に。

病院でのヒアリングとアンケート調査の結果は、家族だけでなく支援者にとってもコミュニティサイトのニーズが高いことを示しており、今回の「医ケアkidsルーム」を立ち上げる根拠となった。

「医ケアkidsルーム」が、医療的ケア児の家族と支援者を繋ぎ、より充実した医療的ケア児支援が実現することに期待したい。

「医ケアkidsルーム」URL:https://spesapo-room.jp

(Higuchi)