奈良県宇陀市には、又兵衛桜と呼ばれる桜の名所があります。樹齢300年のしだれ桜が力強く咲く様子は素晴らしく、多くの人が訪れる人気のスポットとなっています。周辺には、日帰り温泉や道の駅もあるので、訪ねてみてください。

宇陀市の桜の名所「又兵衛桜」

又兵衛桜(またべえざくら)は、奈良県宇陀市(うだし)にある、しだれ桜の名所です。戦国武将の後藤又兵衛の屋敷跡にあるため、このように呼ばれるようになりましたが、正しくは、本郷の瀧桜(たきざくら)というそうです。

樹齢300年ともいわれる1本のしだれ桜が、毎年3月下旬頃から薄桃色の花を咲かせます。樹高約13メートルの大きな桜が、石垣の上で咲き誇る様子が素晴らしく、多くの観光客が訪れています。

例年の見頃 3月下旬から4月上旬頃

又兵衛桜を観賞しよう

又兵衛桜を観賞しましょう。道路沿いに民間の駐車場が開設されているので、車はそちらにとめてください。料金は、1回500円程度です。

駐車場の裏にある小川に、遊歩道がありますので、歩いて入口に向かいます。又兵衛桜を見るのは無料ですが、地元では、景観を維持するための協力金(1人100円)の寄付を募っています。

桜の時期にオープンしているお店では、草餅や串こんにゃくが販売されている。

開花時期には、入口のそばに仮設のお店が出ています。出汁で煮込まれた串こんにゃく、草餅、飲み物のほか、農産物の加工品もあります。帰りに立ち寄っても良いでしょう。

又兵衛桜のすぐそばに、飲食店やコンビニはありません。公共交通機関を使って、お昼ごろにお越しになる方は、事前に食事を済ませておくか、お弁当、軽食を準備しておくと良いかもしれません。

あとで紹介しますが、最寄りのバス停がある「道の駅 宇陀路大宇陀」には、喫茶コーナーやレストランがあり、コンビニも隣接しています。

入口から少し歩くと、又兵衛桜が見られます。石垣の上にせり出すように立ち、薄桃色の花をたくさん咲かせている様子を、多くの人が眺めたり、写真を撮ったりしています。

1本の桜ですが、木が大きいので見ごたえがあります。写真では伝わりにくいのですが、桜のそばに写っている人と比べてみると、その大きさがお分かりいただけるでしょう。

筆者が訪れたのは、3月下旬でしたが、ほぼ満開となっていました。その年の気候によって、満開の時期は異なりますし、桜が一本なので、ちょうど良いタイミングで観賞するのは難しいかもしれません。宇陀市の観光サイトやSNS、鉄道会社のおでかけ情報などをチェックしてみると良いでしょう。

丘の上から集落を眺める

周辺に歩道が設けられているので、散策も楽しんでみてください。こちらは、又兵衛桜の横にある階段を上ったところです。春の風を感じながら、桜が咲くのどかな集落の風景が楽しめます。桃の木もいくつか植えられており、桜と合わせて楽しめます。

再び階段を降り、小川沿いに進みます。川の斜面には、たくさんのスイセンが植えられており、鮮やかな黄色い花を咲かせています。又兵衛桜以外にも、小さな桜が植えられており、そちらも美しいです。

遊歩道を東の方まで歩くと、小さな橋が架かっています。ここからは、集落や、その奥にある高い山が眺められます。この橋を渡って少し戻り、反対側から又兵衛桜を見てみましょう。

手入れされた小川に咲くスイセンの向こうに、又兵衛桜が眺められます。桜の木の全体が見やすいので、そばで見るのとはまた違った美しさが感じられます。

又兵衛桜の裏の針葉樹が背景になっており、薄い桃色の花がより際立っています。こちらから写真を撮る方も多いので、混雑時には良い場所を確保するのが難しいかもしれません。トイレと東屋があるので、少し休憩して、空いたときに撮ると良いでしょう。