◆「私をレイプするわけ!?」

 凛子さんは「セックスは排卵予定日前の、月1回だけにしてほしい」と言ってきた。そして迎えたその日。

「排卵予定日のきっかり2日前。夜、体に触れようとしたら、あからさまに嫌な顔をしてきたので萎えてしまい、その日はやめました。それで翌日、改めて触れようとしたら、半狂乱で泣き叫ばれたんです。わけがわからず、どうして? どうしたの? と聞くと、『月に1回だけって言ったじゃない!』」

 つまり昨日誘ったのも「1回」とカウントされていたのだ。

「さすがに納得がいかなかったので『いや、でも……』と言いかけると、ものすごい形相で『レイプするわけ!?』と言われました。あのときの凛子の目は忘れられません。下劣なものを見るような、軽蔑のまなざしでした」

ぼくたちの離婚 Vol.23 後編
 凛子さんが落ち着くのを待って、定岡さんは「子供が欲しい」の真意を改めて聞いた。すると凛子さんは言った。

「本当は人工授精にしたいけど、それだとあなたに申し訳ないから我慢してる」