親を亡くしたあとは、葬儀や法要、保険の手続きなど、やらなければいけないことがたくさんあります。その中でも、故人の思い入れがある品を片付け・整理する「遺品整理」はなかなか大変なものです。今回は、遺品整理の進め方や、プロに遺品整理を依頼する場合の費用などについて調べてみました。

親の遺品整理で困った例を紹介

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親を亡くしたあと、葬儀や諸手続きなどとともに必要になってくるのが「遺品整理」ではないでしょうか。遺品整理は相続人となる配偶者や子どもなど、遺族が行うのが一般的です。しかし、気持ち的にも作業的にも容易なものではありません。まずは、「遺品整理をするときに困った!」の例を紹介します。

悩み1. 故人の思い入れがある遺品を簡単に捨てられない

遺品は、亡くなった人の思い出がたくさん詰まっているもの。亡くなる直前まで手元に置いておいたものが遺品となりますが、中にはタンスの奥のほうにしまい込んであるなど、故人がとても大切にしていたものもあるでしょう。

思い入れのあるものには人それぞれ違いがあるように、親子でも“大切なもの”は違いますよね。そのため、「これは、取っておいたほうがいい?処分してもいいの?」と判断に迷うシーンも出てきます。

亡くなってしまってからでは「これって取っておいたほうがいいの?」と尋ねることもできず、故人が大切にしていたものならなおのこと、捨てられない!という人も多いようです。

悩み2. 遺品の価値が分からない

人によっては、骨董品や美術品の収集を趣味や生きがいとしていることもあります。自身の親がコレクターの場合、骨董品などは遺品として子どもや親族の手元に残ることになります。

骨董品にどれくらいの価値があるかは、プロでないと正確には分からないでしょう。そのため、価値が分からないまま、どのようにして整理すればいいのか判断がつかず放置してしまい片付かない……といった可能性も考えられます。

悩み3. 早くやらなければ……と焦ってしまう

遺品整理は時間がかかるものです。残された家族が勤めている場合や、離れたところに住んでいる場合、さらに時間がかかることも考えられます。長い休みなどを利用し、時間をかけてじっくり取りかかる人も。

その一方で、親が単身で賃貸マンションなどに住んでいた、介護施設に入所していたというようなときは、早期に退去しなければならないこともあります。そのため「早く遺品整理をしなくちゃ……」と焦ってしまい、無理をして疲労が溜まったり、ストレスを抱えてしまったりという可能性もあるでしょう。

遺品整理の進め方とかかる費用

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遺品整理はどのようにして進めていけばいいのでしょうか。故人の子どもや親族など、自分たちで作業するときの手順と、かかる費用について調べてみました。

ステップ1. 仕分け

まずは遺品を仕分けすることから始めてみましょう。貴重品をはじめとして「手元に残すもの」「形見分けするもの」「処分するもの」などに仕分けしていきます。

衣服や装飾品、家電・家具、食器類など、種類ごとに仕分けしていきます。時間がかかってもできるだけ細かく分類しておくと、このあとの作業がしやすくなります。

ステップ2. 処分するものの分別

続いて、処分する予定の不用品を分別します。通常のゴミとして処分するもの、衣服など買取サービスを利用するもの、人に譲るなどリユースするもの、家具など大型のゴミとして処分するものなどに分別していきます。

ステップ3. 搬出

通常のゴミについては、指定のゴミ袋に入れて収集日に出すなど、自治体のルールに従って処分します。

手元に残すものを自宅などに運ぶには、分量が多い場合や大型のものがある場合、自家用車やレンタカーを使うのがよいでしょう。仕分けの段階で荷物をまとめておけば、積み込みの手間を軽くすることができるでしょう。

ステップ4. 処分

家具や家電製品など大型のゴミや、通常のゴミについても大量に処分する場合は事前に申請が必要な自治体があります。手続きの仕方や収集の方法は地域によって異なるので、詳しいことは役所の窓口に問い合わせてみましょう。

遺品整理の費用

自分たちで遺品整理をする場合でも、いろいろな費用が掛かることは念頭に置いておきましょう。処分するものをまとめるための袋や紐、自治体によっては有料のゴミ袋を購入する必要があります。

また、搬出の際に自家用車を使えばガソリン代が必要ですし、車をレンタルする場合は、プラスでレンタカー代などもかかります。レンタカー代は車のサイズや利用時間によって変わりますが、ワンボックス型のバンなら5,000円前後(3時間まで)、軽トラックなら4,500円前後(3時間まで)が目安となります。

そのほか、大量のゴミや大型のゴミを処理してもらうには、処理料金を負担しなければならない自治体があります。