「日本橋弁松総本店」は、今年も夏の定番商品「夏ちらし」を、東京都内の三越や高島屋などの百貨店6店にて8月3日(土)〜12日(月)の間限定で販売している。

現存する中では日本で最古の弁当屋

嘉永三年(1850年)に創業した日本橋弁松総本店は、現存する中では日本で最古の弁当屋。経木の折箱に詰められたおかずは、江戸から続く甘辛の濃ゆい味で、どこか懐かしさを感じる。江戸文化の体験として、一度は味わいたい弁当だ。

江戸時代に日本橋の魚河岸に出店

弁松の歴史は、前身の「樋口屋」という食事処から始まる。創業は文化七年(1810年)、当時の日本橋の魚河岸に出店し、盛りの良さが評判だった。しかし、時間に追われている魚河岸の人たちは食べ切れずに残して帰ってしまい、それを見た初代が残ったおかずを竹皮や経木に包んで持ち帰らせたところ、そのサービスが大好評となる。そのうち、最初から全部持ち帰りでという注文が増えていったことが、弁松の弁当のルーツだという。

食事処から弁当専門店に

しばらくはイートインとテイクアウトを両方行っていたが、三代目樋口松次郎の時代に、食事処から弁当専門店に業態変更した。三代目は、利用者から「弁当屋の松次郎」という愛称で呼ばれていたため、屋号もそれを縮めて「弁松」に。これは、嘉永三年(1850年)、ペリーが来る3年前の出来事だ。

時代は明治に移り、一時高級路線に走ったりしつつ、関東大震災と戦災で二回店は焼けたが、それでもしぶとく現代まで弁当を作り続けている。

濃厚な酢飯に具が散りばめられた「夏ちらし」

そんな日本橋弁松総本店の夏の定番商品「夏ちらし」が、今年も登場。びっくりするくらいの濃厚な酢飯に、茗荷や椎茸、海老などが散りばめられている「夏ちらし」。弁松定番の玉子焼や野菜の甘煮、人気のつとぶ(生麩の一種)なども入った、夏にぴったりの弁当だ。日本橋弁松総本店の特徴である、江戸から続く甘辛の濃ゆい味のおかずが経木の折箱に詰められており、どこか懐かしさを感じられる。