強盗団として各地のホテルを行脚しながら強盗を繰り返していた葉山聡でしたが、ある日、強盗団を抜けたいと思うようになりました。当然、そう簡単に抜けられるわけはありませんが、葉山聡は強盗団のパソコンから強盗団名簿を抜き取り、メモリーカードにコピーして実家に送付。その後、ホテルの外にキーが刺さったままのバイクがあったので、そのバイクを奪って逃亡中に事故に遭ったのでした。

 強盗団が自分たちの身元が記された名簿をパソコンに保管していた意味もわからないし、それを葉山聡が実家に送った意味もわからない。バイクに乗ったことがないはずの葉山聡がMTのバイクをいきなり動かせるのも意味不明です。なんの迷いもなく1速にギア入れて発進してたからな。免許持ってないなら無免許運転も常習だぞ、あいつ。

 そうして犯罪を積み重ねた上に、改心したかなんか知らんが自首もしないで逃亡しようとして死んだ葉山聡。そのことを両親に知らせに行ったサクラとマコトは「お手柄ですよ」と報告。両親も「自慢の息子です」と涙を流すのでした。

 お手柄じゃねえよ、バカ。連続強盗という重犯罪の実行犯なんだから、被疑者死亡のまま書類送検されるケースだろ。タタキは初犯1発で実刑だぞ。おまえらも何が「自慢の息子」だ、バカ親。

 なんなんだ、このトンチキな話は。

■福島復興で正当化できると思うな

 葉山聡は地元・福島の復興のために金が必要だということでした。これをもって、ドラマは葉山聡の犯罪を正当化し、改心した後も出頭せず変なデータを実家に送っただけの人物を「お手柄」扱いします。

 全国に、葉山聡たちに財産を奪われた強盗被害者がいます。

 大切なバイクを盗まれ、葉山聡によって廃車にさせられたライダーがいます。

 その事実関係から視聴者の注意をそらすために、ドラマは小芝風花に、むやみに何の根拠もなく「葉山聡は善人だ」と言わせ続け、イメージ操作をして“いい話”風にまとめ上げています。しかも、仮にも警察官が主人公のドラマで、です。