◆逆にエモくていい!ここ数年はレトロというもの自体が若い子たちにもブームになっていて『逆にエモい』みたいな形で評価されているのを目の当たりにして、昭和の時の良さをそのまま残しておいても良いのではないかと考えるようになりました。

さらに、今ではシャッター街になってしまった商店街も増えている中で、モンチッチのぬいぐるみや写真を飾ったり、モンチッチを活用したイベントなどを行うことで少しでもお客さんが『あの頃みたいだね』『懐かしいね』と楽しんでくれる役にたてたらいいなと思うようになったんです」

一過性のブームのひとつではなく、あくまでレトロな「文化」としての在り方を見出したモンチッチ。古き良き伝統が残る浅草の街全体を巻き込んだスタンプラリーを実施したり、100年以上続く老舗企業が多く存在する山形で「山形花笠まつり」の広報大使にモンチッチが就任するなど、50周年もモンチッチだけのお祝いとしてではなく、昭和レトロを盛り上げる年にしたいという考えだ。

50年の時を経て、いち「ぬいぐるみ」から昭和レトロの象徴へ……。さらに今後モンチッチがどんな“50代・60代”を迎えるのか楽しみだ。

<取材・文/松本果歩>

【松本果歩】

インタビュー記事から食レポ記事までジャンル問わず執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。

Twitter:@KA_HO_MA