◆どうしようもない僕に猫が降りてきた

そして、“その日”は突然やってきたのです。

パソコンに向かい、締め切りをすでに2時間すぎた「週刊誌のカラーページの特集の企画を考える」というミッションをやっているふりをして、大食いユーチューバーさんの動画を見ていたときのことでした。

部屋のすぐ外の駐車場から、

「みーみーみーみーみーみー」と甲高い猫の声が聞こえてきたのです。

「にゃー」じゃなくて、完全に「み」。声だけで“赤ちゃん猫”と分かる甲高い声。

うっわ、めっちゃのぞきたい。

でもヘタしたら今まさに産んでいるまっただ中かもしれないし、邪魔しちゃダメだし。

がまん、がまん、がまん、がまん………

3コマ漫画「ムリだ!」どしゃぶりの雨弱まっていく声
自然の摂理にさからわないよう、手を出すのはガマンしよう、ガマンしようと思ったけど……
外はバケツをひっくり返したような大雨。

庭に停めたわたしの軽自動車の下から、かすかに聞こえていた声は、どんどんか細く、か弱くなっています。もしかしたらいるかもしれない母親猫を驚かせないように、そーっと、そーっとのぞきこむと……