たけるの目が潤んでいる。ついさっき、「ショーゴの才能はここがマックスだ」と口を滑らせた自分の失言を、ほかでもないショーゴが肯定しているのだ。東京ホテイソンというコンビが、企画の前後で、ほんの少しだが形を変えているのだ。
みりちゃむ罵倒シリーズでは、こういうことが起こるのである。みりちゃむの罵倒はいつしか説法になり、再生への啓示となっていく。偶然ではない。アンジャッシュ・渡部建の回でも、TKO・木下隆行の回でも、同じことが起こっている。罵倒を受けた側が、本当に必要としていた言葉を、図らずもみりちゃむから与えられている。
佐久間氏もみりちゃむ自身も、そこまで意図しているわけではないだろう。意図していないことが時おり再現されてしまうのだから、やはりこのシリーズからは目が離せない。
(文=新越谷ノリヲ)