◆お日さまのような兄弟
カタール大会では、スペインやドイツなど、世界屈指の強豪国を撃破した日本代表だが、三笘を語るのに欠かせない試合が他にもある。
2020年、当時所属していた川崎フロンターレ対浦和レッズ戦で、シーズン13ゴール目を決めた瞬間だった。三笘がハートマークを作るゴールパフォーマンスが話題になったのだ。
このハートマークは、難病と戦うある小学生との約束を果たすためだった。サッカー選手が難病の子どもたちの精神的な支えになることはよくある話だが、三笘のパフォーマンスにはより特別な意味を感じた。
ハートマークから空を仰ぎ見る三笘が、ピッチで浮かべる太陽のような表情。その後のガッツポーズも素晴らしい。
弟が南国の太陽のような熱血漢なら、兄は雲間からのぞく爽やかな日差し。まるでお日さまのような兄弟ではないか。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu