そこで、関係者やOBの間でまことしやかにささやかれているのが、菅野のリリーフ転向です。菅野は制球力も球速も申し分なく、伝家の宝刀のスライダーは空振りも取れる。さらにフォークも一級品で、ストッパーに必要な条件をすべて兼ね備えています。
阿部監督は『抑えは大勢。菅野は先発』と繰り返していますが、開幕ダッシュ失敗は絶対に許されない。巨人では過去に槙原寛己、上原浩治、澤村拓一らが先発から抑えに回って成功しており、緊急避難的な菅野の配置転換には現実味があります」(週刊誌スポーツ担当記者)
数年前の菅野ならあり得ない話だが、今や彼のポジションは先発の3番手か4番手。伯父の原辰徳氏もチームを去り、今季は正念場の年となる。広く野球界に目を向ければ、大谷翔平の1000億円超の超大型契約を筆頭に山本由伸、ダルビッシュ有らの巨額契約が話題になったが、菅野はどこで歯車が狂ってしまったのか。
「菅野はずっとメジャー志向でしたが、巨人は基本的にポスティングを認めない方針。それでも2020年に球団はMLB移籍を容認しましたが、新型コロナ騒動でメジャーのFA市場は冷え切り、条件面で合意できなかったため、菅野はチーム残留を選びました。しかしその後の成績は振るわず、市場価値が落ちたばかりか、年齢も34歳になってしまった。過去には斎藤隆や上原浩治など、30代半ばでメジャー移籍して成功した例もありますが、タイムリミットぎりぎりです。