◆それから2ヶ月後、レッスンを担当できるようになったのはなぜ?

ヨガの勉強をして、プログラムの習得にも励んだのに、インストラクターとして十分に働くことができなかったのはとても残念です。当たり前だけれど、会社で学んだプログラム(レッスン内容)を退社後に使うことはタブー。

ヨガインストラクターへの未練を残したまま、一度は「道は絶たれた…」と思いかけました。とはいえ、この頃にはヨガをすることが毎日の習慣になっていた私は到底諦めきれず。いろいろなヨガの資格を調べていくと、「これだ!」というものにたどり着き、そこから流れが一転!

場所は、自宅からさほど遠くないヨガスタジオ。そこで開催される資格の講座に申し込みをするのと同時に、ダメもとで「インストラクターの募集はしていませんか?」という旨のメールを送信します。

「ここでレッスンをさせてもらえたらなあ…」と淡い期待を抱きながら講座を終えると、スタジオのオーナーさんが声をかけてきてくださり、とんとん拍子でレッスンの担当日が決まっていったのでした。この出会いがなかったら、ほぼ未経験に等しい私がレッスンを持つのはいつになっていたことか…。

と、こうして私は未経験インストラクターを脱したのでした。自社養成インストラクターになって経験を積むのももちろんありですし、知人に無料でレッスンをするとか、最近ではオンラインで配信するなんて方法もあって羨ましく思います。同期がいれば、情報交換をし合ったり、憧れのインストラクターにコンタクトを取ってみたりする…のもいいかもしれません。

どんなインストラクターもはじめは未経験。そこからどうやって経験を積んでいくのかを試行錯誤することさえも、魅力的なインストラクターへの第一歩をすでに踏み出している証。

ちなみに、これまでヨガや食事関係、ヘッドスパ、リンパケアなど…レッスンにつながる資格の勉強にかかった費用の総額は100万円近く。「資格は取ったらゴールではなく、そこからがスタート!」―これは、ヨガインストラクター歴9年目に入った私が自分に言い聞かせている言葉。

「先生!」と読んでもらえることにおごらずに、ときには初心に返るために心に留めている言葉です。

<文/高木沙織>

【高木沙織】

「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。2021年からは、WEB小説の執筆も開始。Instagram:@saori_takagi