第1回王者、中川家は10年目のラストイヤーだった。ますだおかだは第2回に出場し、優勝を勝ち取っているが、ますだおかだが中川家の先輩だとしたら、当然第2回の出場権利はないはずである。

「ますだおかだは11年目で『M-1』を獲った」というのは、中川家・剛の定番ネタである。2021年12月にサンドウィッチマン、ナイツと共演した『漫才サミットのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でも「計算上、先輩なのは間違いない」「僕らがNSCに入ったときにはもう、出てはった」などと蒸し返していたし、昨年11月の『やすとものいたって真剣です』(ABCテレビ)でも、同期の海原やすよ ともことともに「ますだおかだ11年目疑惑」についてひとしきり盛り上がっていた。『M-1』の話題になると剛がこの問題を切り出し、最終的には剛自身が「まあ、ええやないか」と収めるのがパターンとなっている。

 ますだおかだは1993年に松竹芸能の養成所に入所。中川家は92年のNSC入所なので、中川家が1年先輩にあたる。ますだおかだは1月入所で、入所間もない、いわゆる“0年目”から舞台やテレビへの出演が相次いだことから、中川家がますだおかだを先輩と認識しているというのが実際のところである。

 ときと場合によっては深刻にとらえられてしまう「ますだおかだ11年目問題」だが、剛にとっては単なるイジリにすぎない。剛と増田は地元も近く、小中学校の1年先輩後輩という関係でもあることも付け加えておきたい。

(文=新越谷ノリヲ)