ラストでは崩壊したバベルの塔の破片を踏み越えていく3人が闇に消えていく。この島にも、過去には文明があったという描写である。

 このように、コロンブスによる新大陸発見と西洋による植民地支配に関するエピソードが、明るい曲調と爽やかな歌声に乗ってコミカルに描かれる。そのあまりにグロテスクで直球な差別表現に対して、ネット上では批判と困惑の声が広がっているのだ。

 公式リリースによれば、このビデオは「“もしも生きた時代の異なる偉人たちが一緒に旅をしたら?”という想像の世界」を描いたものだといい、「旅の道中では、500万年以上もの時を越えて出くわした類人猿たちとのホームパーティーも。ユーモアに富んだ、ドタバタワチャワチャ劇が繰り広げられる。」と説明されている。

 このリリースを読む限り制作側に差別の意図があったとは思えないが、結果として「ド直球の差別」と受け止められるストーリーになってしまったようだ。

 ミュージックビデオの内容はアーティストのイメージに直結するものであり、今回は大手企業とのタイアップも組まれた広告案件でもある。今後、各方面から釈明のコメントが出てくることになりそうだ。