◆元々はもっと短い30分ドラマの予定だった

 まず本作は「テレビ東京開局60周年連続ドラマ」として放送されているが、なぜ小説『95』を「テレビ東京開局60周年連続ドラマ」に選んだのか。倉地氏は「3年くらい前に小説『95』を読んでとても感銘を受け、そこで『ドラマ化したい』という気持ちが芽生えました」と説明を始める。

倉地雄大さん
ドラマ『95』のプロデューサーを務める倉地雄大さん
「当時はコロナ禍でしたので、見えない不安感や閉塞感が世の中に充満していました。そういう時代だからこそ、葛藤を掲げながらも今しかない一瞬を懸命に生きるQや翔の姿は、視聴者に新鮮かつ痛快に感じてもらえると思い、ドラマ化を進めていました。

 当初は『テレビ東京開局60周年連続ドラマ』ではなく、30分の深夜ドラマとして制作する予定でした。ただ、髙橋さんや中川さん、松本さんなどからオファーを引き受けてもらい、徐々にキャスト陣が豪華になっていきました。その中で、30分の深夜ドラマではなく、時間帯を上げ、放送時間を伸ばし、『テレビ東京開局60周年連続ドラマ』にしようという方向に変わっていったんです」