ガールスカウト日本連盟は、ガールスカウト会員の小学生の少女を対象とした、コンピューターとロボットの世界を知るワークショップイベントを、広島と東京の2カ所で開催する。

同プログラムは、マイクロン財団の支援のもと、広島大学と東京工業大学の協力を得て実施される。

コンピューターの仕組みを体験型で学ぶ

7月28日(日)の13:00~16:00には、広島大学の東千田キャンパスにて、小学4~6年生のガールスカウト会員を対象とした「Girls Going Tech コンピューターの世界を知ろう!」を開催する。


子どもたちの身近にあるスマートフォンやカメラ、家電や車などさまざまな製品に使われているコンピューターは、すべてのデータを二進数(0と1)で表し伝達している。同ワークショップでは、コンピューターがどのように動いているのかを体験型で楽しく学ぶ。


参加者は、ゲーム感覚で二進数の仕組みを体感したり、


ロボット作りに挑戦したりする。


参加者には「バイナリーバッジ」が授与される。

ロボットを作りながら仕組みを学ぶ

8月18日(日)の10:00~15:00には、東京都渋谷区にあるガールスカウト会館にて、小学生のガールスカウト会員を対象とした「Girls Going Techロボットの世界を知ろう!」を開催する。


同ワークショップでは、ロボットの手の動きや脚の動きに注目して、実際に作りながらロボットの仕組みを学ぶ。



参加者は、自分のロボットが少しでも早く走るように微妙な調整を重ね、ロボットレースに挑戦する。


また、理工系の先輩の話を聞く時間も設けられる。


参加者には「ロボティクスバッジ」が授与される。

なお、荒木雅子教授と女子学生を講師に迎え、保護者・引率者を対象に「東工大リケジョへの道」講演会も同時開催する。

ガールスカウトのSTEAM教育と実施背景

ガールスカウトでは、体験を通して学ぶことを大切にしている。STEAM教育においても、文系・理系といった枠にとらわれず、柔軟な発想で社会課題を解決できる資質・能力を育んでいるのだそう。

この教育により、少女は新しい世界に興味を持ち、自らの可能性を広げていく。なお、少女がさまざまな力を身につけられるよう、ガールスカウトではバッジシステムを導入している。

ガールスカウトが小学生にSTEAM教育を提供する背景には、大学入学者における「理学」「工学」の女性比率の低さがあるようだ。

日本では、女子の理数系の学力は世界トップレベルにもかかわらず、大学入学者に占める女性比率の全国数値は、「理学」分野が30.2%、「工学」分野が15.2%にとどまっているそう。

そして進路選択に影響を与えたことの1つに、幼少期の科学館・博物館体験や大学や自治体のイベント等の理系的経験が多いことが挙げられている(※1)。また、ガールスカウトが実施した調査では「理数系は男子」と思っている女子高校生が48%もいるという結果も(※2)。

ガールスカウト日本連盟は、理数工系の進路を選択する女子が少なくなるのは、ロールモデルが少ないことのほかに、周囲や少女自身の無意識のジェンダーロール意識が影響を与えているのかもしれないと考えている。

それゆえに、少女たちの可能性を広げるため、年少のころから理数工系への興味を喚起し、STEAM教育に取り組んでいる。

コンピューターやロボットの世界を楽しく学べるワークショップをチェックしてみては。

ガールスカウトのSTEAM教育について:https://www.girlscout.or.jp/activities/badges/steam-education/

※1:「女子生徒等の理工系分野への進路選択における地域性についての調査研究」令和3年度内閣府委託調査三菱UFJリサーチ&コンサルティング
※2:『「ジェンダー」に関する女子高校生調査2020 ~声をつなぐ~(2021年3月)』26ページ

(Higuchi)