また、今回注目を集めているのが、観戦チケットの価格だ。アリーナ1~6列目の「SRS(スペシャルリングサイド)席」は27万5,000円に設定されており、これは日本国内のプロボクシング興行としては過去最高となっている。

 これまでの最高額は、前出のネリ戦を含める直近5戦の井上尚弥の出場興行と、22年4月に行われた村田諒太対ゲンナジー・ゴロフキンで売り出された22万円。今回は、5万円以上、価格が跳ね上がったことになる。

 この高騰ぶりには、どんな理由があるのだろうか。

「前回の東京ドームでは4万3,000人を集めた井上ですが、今回のドヘニー戦が行われる有明アリーナの席数は1万5,000程度。当然、入場収入は少なくなることになります。今や1試合で10億円を稼ぐともいわれる井上のファイトマネーを捻出するには、チケットの高騰は避けられません。ネリ戦より以前に有明アリーナで行われたマーロン・タパレス戦、スティーブン・フルトン戦ではアリーナ席がすべて22万円という設定でしたが、今回は6列目までが27万5,000円、7列目以降が24万2,000円(dカードGOLD会員は22万円)と差別化されましたので、むしろ不公平感は解消されたと言っていいでしょう」(ジム関係者)

 日本ボクシング史上最高傑作といわれる井上尚弥だが、チケット価格という面でもついに突出した存在となった。果たして今回は、どんな試合をみせてくれるだろうか。