コロナ禍で思いがけず動き出したキャリアアップの道

『PRIME』より引用
(画像=『PRIME』より引用)

―今年の8月には、下のお子さんの時短勤務が切れると伺いました。さらに生活スタイルに変化が出ると思いますが、8月からの生活についてはどう考えていますか?

私の勤務時間が16:30終業から17:30終業に変わります。夫は17:15までですが、基本残業をしています。夕方以降の1時間は大きいですが、在宅の日はなんとかなるかな…。

実は時短勤務に関係なく、私のほうは在宅を取り入れた分、出社時の残業が増えました。どうしても出社時にしかできない仕事もあるので…。出社日は私の帰宅が19時を過ぎたり、21時近くになることもあります。

その場合は夫が定時で一旦子供2人を迎えに行き、そのあと仕事を再開する感じになっています。

もし夫が対応できない時は、私が何が何でも定時であがるしかないですが、その場合の業務対応は社内でどうにか調整するので大問題ではありません。

日々のスケジュール管理と動線確認は大変そうですが、2人とも在宅を取り入れた働き方でやりくりできると考えています。

―その都度変化に対応していくということですね。それではキャリアのお話も含めて、ナツさんご自身の今後の働き方について展望はありますか?

今の会社は、女性はバリバリ働くというより、正社員だけど事務の仕事を長く安定して働くという雰囲気で、自分もそのつもりで入社しました。転職活動時にハローワークで紹介してもらった求人で、いわゆる9時5時の事務ってすごく人気がありましたよ(笑)

それでも、毎日出社だったら通勤時間がかかって子供たちのお迎えは18時半過ぎ。やっていけるかの心配が大きかったです。でも、こうして在宅勤務を取り入れた働き方が始まり、小学校入学後も家庭と仕事の両立が叶うと感じたので、今は逆にキャリアアップもしてみようかと思っているんです。

―それは意外!逆転の発想ですね!

これは別に私の意思ではないんですけど、一般事務からいやおうなしに営業サポート的な仕事も増えたんです。やることも責任も増えて、でも今ならできるなって思った時に、会社に昇級の申し出をしたら快諾してもらいました。

思わぬところでキャリアについても考えるきっかけになりましたが、しばらくはこのスタイルで仕事と家事育児を続けてみる予定です。

―もしコロナ禍かつ在宅勤務でなかったらなあさん達家族にとって「小1の壁」はどうなっていたと思いますか?

19時か20時まで民間学童フルで使うしかないと夫と話していました。 極力、過ごす環境だけは最善のものを用意してあげたいと思っていましたけど、その時間まで預けて働く事の罪悪感に耐えられたか分かりません。

ワーキングマザーにとって昔から通勤時間は悩みの種ですが、新しい働き方がママ自身のキャリアアップにも広がっていくというナツさんの好例。子供の負担も軽くなる一方で、うまく在宅勤務を導入すれば時間的、体力的、精神的にも安心・安定した働き方が叶うようです。

『PRIME』より引用
(画像=『PRIME』より引用)

<編集後記>

小学校入学前から「小1の壁」を意識し、実際動いて色々と準備してきたナツさんご一家が、コロナ禍で働き方に変化が訪れ、その結果ママのキャリアアップにつながったお話を聞かせてくださいました。

厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成30年版)」 によると、母親の就労状況について、末子の年齢階級別に年次推移をみると「正規の職員・従業員」「非正規の職員・従業員」ともに上昇傾向となっています。

また、男性の育児休暇取得、時短勤務、新しい働き方や、「自分らしい働き方」を模索する方も増え、さらに働き方の選択肢が増えていくのを感じます。

「小1の壁」は検索エンジンで2008年ころから出現し、すでに10年以上課題として扱われてきた言葉ですが、現在進む働き方の変化の中にその壁をクリアにするヒントがあるのは間違いありません。

取材・文:A.O

提供・PRIME