韓国ドラマ『ザ・キング 永遠の君主』の見どころ
ドラマ『ザ・キング 永遠の君主』は、どのようなところに着目して鑑賞すると良いのでしょうか。ここでは、『ザ・キング 永遠の君主』の見どころをご紹介します。これらのポイントを抑えて鑑賞することで、よりドラマの世界観を楽しむことができるでしょう。
壮大な世界観
劇中に登場するのは、時空を超えたパラレルワールドです。その上、タイムトラベルのような時間の移動も加わって、現実感がありながらもファンタジー感を満喫できるドラマとなっています。ラブロマンスに加え、サスペンスとしての表情も併せ持った作品です。
作中のパラレルワールドにあたる大韓帝国では、君主制が現在も続いています。現実の大韓民国は大統領制のため、この両国は似ているようで非なる存在です。大韓帝国の首都は釜山で、ソウルは政治の中心として機能しています。
この世界では、日本に併合された過去は存在しません。朝鮮戦争が起きなかったため、米ソに干渉されることもなければ南北の分断もありませんし、釜山からは平壌までつながる直通の鉄道が走っています。中国を牽制しながらも、日本とは緊張が走っているという世界情勢です。
ですが、大韓帝国では1994年に謀反が起きました。先代皇帝の兄であるイ・リムが、不思議な力を持った息笛を手にしようと、皇帝や皇后などを殺害し、8歳だった皇太子のイ・ゴンまでも殺そうとします。
しかしその時笛が割れ、突如現れた人物がイ・ゴンを救ったのでした。やがて、時空を超えてやってきたイ・ゴンが、2020年の韓国にたどり着くというこのストーリーは、正しく壮大な世界観と言えるでしょう。
1人4役のウ・ドファンの演技
パラレルワールドで展開するストーリーを描く『ザ・キング 永遠の君主』は、その性質上同じキャストがもう一つの世界でのドッペルゲンガーをも演じることになります。ですから、原則一人二役を務めることになるのです。
特に、キム・ゴウンとウ・ドファンはまるで別人とも見えるような素晴らしい演じ分けを見せました。キム・ゴウンは、チョン・テウルという正義感たっぷりで勝気な女性と、孤独な犯罪者のルナを見事に演じ切っています。目の動きや姿勢、声のトーンによって演じ分ける姿には注目です。
そして、ゴウンの部下で優しくお茶目な男性ウンソプと、ゴンのボディーガードで堅物な男性ヨンを演じ分けたウ・ドファンは、髪型やファッションはもちろんのこと、人相まで明らかに別人と思われるような演技を見せました。
特に物語後半では、敵の目を欺くために、ウンソプとヨンが別世界にて入れ替わります。ですから、ウンソプがヨンを演じている演技と、ヨンがウンソプを演じている演技を一人でこなしたことになるのです。まさにドラマ史に残る名演技と言えるでしょう。
後半からの伏線回収で面白さアップ
このドラマは、壮大な世界観を演出するためパラレルワールドやドッペルゲンガーなどの仕掛けがあり、見始めたばかりの頃は混乱してしまうかもしれません。しかし、10話を過ぎたあたりからは、伏線が回収されていくことにより面白さが増していきます。
二つの世界のドッペルゲンガーが入り乱れることで、物語に真剣に没入することになります。当初は大韓帝国と関係がないように思われていた、韓国でテウルらが捜査を続ける一連の殺人事件一つとっても、次第に共通点が見え始めます。
また、パラレルワールドを往復するゴンが、雷がなるたびに身体に痛みを覚えるようになり、その兆候はイ・リムやその部下、総理にもみられるようになります。これは、時空を超えたことによる罰なのか、それとも…といったような謎解きの要素も楽しめます。
さらには、最終話近くなっても明らかにならない少年の正体などのミステリー要素もあります。また、主役二人の恋愛は、遠距離よりもさらに遠い、異世界同士でのロマンスです。この事実も、将来二人を待ち受けているであろう過酷な運命を予期させます。
日本でも人気のイ・ミンホの表現力
時空を超えたラブストーリー、『ザ・キング 永遠の君主』を完成形に導いたのは、主人公を演じているイ・ミンホの高い表現力によるものと言えます。イ・ミンホは、韓流のプリンスとも呼ばれており、誰もが認めるような王道のイケメンです。
そんな彼の魅力が、『ザ・キング 永遠の君主』では見事に発揮されています。辛い過去や責任ののしかかった皇帝、イ・ゴンの切実な想いを表現する一方で、育ちの良い品のある雰囲気を持ちながらも、可愛らしい一面を見せるキャラクターを演じ切っているのが見どころです。
また、こちらも韓流の女王と呼ばれているキム・ゴウンとの掛け合いもポイントです。違和感のある関係性から、徐々に切ない純愛ストーリーへと移行する様子を演じているのはもちろん、思わず笑ってしまうようなコミカルな場面も二人で作り上げています。