特定の人と親密になることを避けようとする回避依存症。恋愛や友達関係でネックになることがよくあります。自分や恋人、好きな人が回避依存症なのでは?と気づいたらどうすればいいのでしょうか。回避依存症の特徴や原因、心理、接し方や克服方法を探ります。

回避依存症とは何?

回避依存症とは何?回避型に当てはまる男女の特徴や心理と接し方について
(画像=pixabay Photo bygeralt、『lovely』より引用)

人と親密になることを避けようとする回避依存症。人と表面的な付き合いしかできない、好きな人がどうも回避依存症で仲良くなれない、とお悩みの方もいるのでは?回避依存症の特徴や原因、心理、克服の方法や、回避依存症の人との上手な接し方を見ていきます。

言葉意味は回避(避ける)に依存していること

回避依存症とは、人間関係で親密になるのを回避することに依存している状態を指します。特定の人と深い関係になりそうになると、その人との関係を避け、別の人と関わるようになる傾向があります。

依存症といってもアルコール依存症のような病気ではなく、あくまで性格傾向をこのように呼んでいるだけ。薬や治療が必要なわけではありません。

恋人や友人から自ら避けてしまう

回避依存症の人は、全ての人間関係を避けているわけではありません。恋人や、特定の仲の良い友人などと密な関係になりそうになると、息苦しさを感じて自ら避けてしまいます。

仲が親密というのは良いことばかりではなく、信じていたばかりに裏切られたり、弱みを知られてコントロールされたりと負の面もあるもの。回避依存症の人はそのような傷つく展開を避けたがります。

男女ともに回避依存症の人はいるが男性に多い

回避依存症の人は男女ともに存在しますが、男性のほうが多い傾向にあります。女性は回避依存的になっても相手との関係性を求め、恋愛依存症になる傾向が。

男性は回避依存症の状態が内向的な特徴になりやすい傾向です。表面的には自分を良く見せてそつなく振る舞っていても、関係が親しくなるにつれて不安が増し、関係を回避しようとします。

回避依存症と共依存症の違い

共依存症とは、お互いの関係に依存している状態。よくあるパターンが、パートナーをあれこれ振り回す人と、そんな相手に振り回されながらも尽くさずにはいられない人のペアですね。

共依存症ではお互いの存在に自分の存在意義を見出しており、一度陥ると本音では辛くても離れるのが困難です。回避依存症とは真逆ですが、愛着の不安定さから回避依存症の人が共依存に陥ることもあります。

回避依存症の人の特徴や行動は?

回避依存症とは何?回避型に当てはまる男女の特徴や心理と接し方について
(画像=pixabay Photo bySammy-Williams、『lovely』より引用)

回避依存症の人によく見受けられる特徴や行動をチェックしてみましょう。自分や恋人、気になる人が回避依存症なのでは?と考えている方は、どれくらい当てはまるか見てみてください。基本的には「いい人」ですが、親しくなると厄介な一面も…。

ナルシスト

一見すると、回避依存症の人はナルシスト。人前でそつなく振る舞うのが上手で、見た目もパリッとした服を着こなし、身だしなみに抜かりはありません。鏡の前で時間をかけてのチェックも。

実はこれ、人から嫌われたくないという心理がナルシストっぽく振る舞わせているだけ。本物のナルシストは自分が大好きですが、回避依存症の人は本音では自分が嫌いです。

周りから良く思われたい

人から嫌われるのを恐れる回避依存症の人。周囲からの評価を気にして、良く思われたいと「いい人」の振る舞いをするのも特徴です。敵を作らないように八方美人に振る舞っている人も。

職場の人間関係や浅い関係の友達など、一定の距離を保っていれば、周囲にいい印象を与えているのも特徴。面白いことを言ったり、気の利く行動ができたりもします。

支配欲やモラハラ気質がある

一方で親しい関係や恋愛関係になると、支配欲やモラハラ気質が現れてきます。恋人にルールを課して束縛したり、何かと口出しして自分のやり方やペースで物事を進めようとしたりなど。

これは親しい人間関係では自分が主導権を握りたいから。相手の自由にさせておいて相手が離れてしまったり、自分より優位に立たれて逃れられなくなったりするのを恐れているためです。

心を開くことが苦手

回避依存症の人は、心を開いて本音で話すのが苦手です。表面的な世間話はそつなくできますが、自分の本音やプライベートの話は避けるので、周囲に謎めいた印象を与えていることもあります。

人に嫌われたくない心理から「こんなこと言ったら嫌われるのでは?」と本音をセーブしている面もありますし、「弱さを見られたくない」と警戒している面もあります。

嘘つき

人に嫌われないように、人間関係の面倒ごとを避けるためにと、回避依存症の人はつい嘘をついてしまう特徴が。回避依存症の人は共感力が低い傾向があり、嘘をつくのに罪悪感があまりないのも手伝って、嘘つきになりがち。

あからさまな嘘というよりも、話を誇張して自分を良く見せようとしたり、面倒な展開を避けるために話を小さくしたりといったパターンが見受けられます。

人の連絡を無視しがちで音信不通になる

人との関係が面倒になってくると回避傾向が出てきます。連絡がしつこいときや自分の都合の良いタイミングでないときは連絡を無視しがち。連絡先を変えたりSNSのアカウントをブロックしたりして音信不通になることもあります。

付き合っている恋人に対しても、連絡が面倒になって無視したり、関係が深まるとある日突然音信不通になったりします。

浮気してしまうことが多い

回避依存症の人はパートナーがいても他の異性に目移りしてしまうことが多く、浮気性とも間違えられやすいです。特定の人と深く付き合うことが怖いため、ある人と親密になると別の人へ気持ちが移ることも。

恋人から捨てられて一人ぼっちになるのを極度に恐れるため、浮気してキープとなる存在を作っておくという狙いもあります。

友達と関わることが怖いと思ってしまう

回避依存症の人の行動の裏にあるのは、見捨てられ不安。人から「ダメな奴だ」と思われて見捨てられることを極度に恐れています。自己評価も低いため、「本当の自分を見せたら人に嫌われる」と思っている人も多いです。

そのため、顔見知りと表面的な付き合いはできても、友達と関わることを恐れ、友達と呼べる人が少ないという特徴も見受けられます。

仕事は熱心で優秀な人が多い

仕事に没頭していると自分の問題や不安と向き合わなくていいため、仕事熱心で優秀だと評価される回避依存症の人は多いです。

人に支配されないようにするため、仕事熱心になる回避依存症の人もいます。恋人よりも仕事を優先して恋人に踏み込まれないようにしたり、仕事で出世して自分で環境をコントロールできる立場になることで安心を得たりする狙いがあります。

愛情表現が分かりづらい

回避依存症の人は、「好き」と言葉にしたりスキンシップをとったりといった、わかりやすい愛情表現は基本的にはしません。付き合っていることそのものですでに愛情表現だと思っている人もいます。

自己開示が苦手な回避依存症の人にとって、自ら自分のプライベート話をする、友達にパートナーを紹介するだけでも十分な愛情表現であることも!

試し行為をする

主に異性に対して試し行為をするのも特徴。「こんな自分など受け入れてもらえないだろう」と思いつつもパートナーの存在に自分の存在意義を見出しているため、浮気や突き放しなど相手を試すような行動を取ります。

愛情表現は無視し、わざと友達を優先することも。パートナーが耐えかねて別れを切り出すと、「ほらやっぱり」と試し行為を予防線として、自らショックを和らげます。

基本的にモテる人が多い

他人から良い評価を得ていないと自分に価値を見いだせないため、回避依存症の人は絶えず密かにモテる努力をしています。見た目も整えられていてトークも上手で、基本的にはモテる人が多いのも特徴です。

回避依存症だとわからなければ、何でも器用にこなす万能型タイプやクールでストイックなタイプに見られがちなのもモテる理由です。