続編となった『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』でも主人公は世良であり、世良が渡海の次に出会う人物として新たに登場したのが、今回二宮が演じる天城ということになる。
たびたび続編のウワサが立ちあがった『ブラックペアン』だったが、ジャニーズ事務所の問題などもあって何度も立ち消えになったという。だが、そうした裏事情以前に『ブラックペアン』には続編に語るべき物語が何もなかったのだ。
そんな状況で、なんとしても二宮主演で『ブラックペアン』の続編を作りたい局側が繰り出した“ウルトラC”が、二宮に別人として主人公を演じさせるという異例の措置だったことになる。
前作の『ブラックペアン』は原作が小説1冊分しかなかったこともあってエピソードの抽出に苦労し、特に前半は同じ展開を繰り返すなど制作に苦労の跡が見える出来だったが、今作は2冊分の原作がある。また、ブラックペアンという謎の医療器具を巡るサスペンス要素が中心だった前作に比べ、今作は人物同士の関係性に比重が置かれた群像劇的な要素の強い作品でもあることから、前作以上の盛り上がりを見せる可能性が高そうだ。
新たな二宮の天才外科医像に期待したい。