◆恋より芸事? なかなか描かれなかった「ヒロインの恋愛」

朝ドラでは比較的早くにヒロインの初恋パートが描かれることが多いのですが、『ブギウギ』ではなかなかその気配がありませんでした。

第7週では「義理と恋とワテ」のサブタイトルで、演出家・松永(新納慎也)との恋模様が展開されましたが、あれは果たして恋だったのでしょうか?! 恋より、義理とワテのあり方の方が色濃く描かれていたし、その週のスズ子から恋する女の熱量を感じることはできませんでした。どちらかといえば、松永が自分に好意をもっていると勘違いし、盛り上がってしまったという感じでしょうか。それはそれで可愛かったけど。

そんな風に、恋愛よりも芸事に邁進し、家族に寄り添うスズ子の姿に多くの共感が集まっています。一方で、朝ドラで描かれる恋は、物語の大きなターニングポイントになることも多く、楽しみに待っていた視聴者も多いのではないでしょうか。