◆美人で優秀な姉とすべて普通の自分

「私には1つ年上の姉がいて、子供はおたがい女の子で同い年なのですが、両親がかわいがるのは姪っ子だけ。同じ孫なのに……」

 そう話す佐野芽美さん(仮名・43歳/飲食店パート)ですが、実は彼女自身も両親から愛情をそそいでもらえなかったと感じています。

「姉は小さいころから地元でも美人と評判で、しかも学校の成績もトップクラスで両親にとっては自慢の子供でした。それに比べて私は容姿も成績も可もなく不可もなくといったレベル。家族の中心はいつも姉で、私には全然かまってくれませんでした」

 姉には小学校のころから家庭教師がいて、ピアノやバレエ、水泳など興味を持ったものは次々と習わせてくれたとか。一方、芽美さんは個人経営の地元の小さな学習塾に通っていた程度で、習い事はほとんどさせてもらえなかったそうです。

「父も母も姉を誉めることはあっても叱ることはほとんどありませんでした。姉とケンカになっても、ちょっかいを出してくるのは毎回あっちなのに、怒られるのはいつも私だけ。

 両親から虐待を受けたわけでもなく、一応大学まで行かせてもらいましたが『芽美は自分の好きなようにしなさい』と良く言えば放任主義。いつまでたっても関心の対象は姉だけで、私のことはどうでもよかったんだと思います」

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