コンフィヌモン真っ最中のフランス。「コンフィヌモン」とはフランス語で「監禁、幽閉、閉じ込めること」。つまり「ロックダウン」のことを指します。コロナで覚えたフランス語、第1位がこの「コンフィヌモン」でしょうか…。「ロックダウン」という言葉よりなんとなく優しくてかわいい響きのような気がしていますが、この騒動がなかったらおそらく覚えることのなかった単語かもしれません。

今回のコンフィヌモン(ロックダウン)は、先日のこのコラムでも書いたように、高校までの学校は通常通り授業が行われており、自宅から1km以内の散歩も許されています。公園や広場も開放されているため、晴れている日は日向ぼっこをする人で公園がいっぱい。そして朝と夕方の登下校の時間には街中がいつも通りの賑わいになります。

とはいえ、一応外出するときは常に理由を記した許可証を携帯。パトロールにあった際、もし許可証を不携帯だったり反則していたりしたら、罰金(しかも今回は1回目の罰金が約16,740円ですが、違反を重ね30日以内に3回目の罰金になるとなんと約465,000円という高額罰金!)なので、息子とともに寄り道もせず、まじめに学校の行き帰りをする生活を送っています。

 

芝生のお手入れは機械でなく、羊にお任せ!「エコ・ムトン」

学校帰りの子供たちの楽しみになっていてみな立ち止まって呼びかけています

 

そんな私たちを毎日楽しませてくれているのが“冬の名物”芝生を食べるために放牧されている羊たち。この時期になるとアンヴァリッド前の大きな芝生広場に羊たちが来て、子どもたちが喜ぶとママ友達が教えてくれました。

羊くんたちの雨よけ小屋。どこでお仕事をする時も広場を囲う柵とこの雨よけ小屋が必要なんだそう

 

この羊たちは、「エコ・ムトン」という2012年にできた会社が放牧しているもの。エコは「エコロジー」と「経済的な意味のエコ」、ムトンは「羊」という意味です。会社や工場の敷地内、学校、病院、刑務所などの芝生部分のお手入れを放牧された羊たちが担当しています。

写真の真ん中あたりに見える黒い豆粒のようなものが羊です

 

このアンヴァリッド前のひろ~い芝生エリアも、私たちが毎日ご挨拶をしているこの羊くんたちが担当しているそう。広いスペースにたった数匹の羊たちが放牧されているので、遠くから見ているとまるで犬が散歩しているように見えて最初は全然気づきませんでした。アンヴァリッド前のこの芝生広場は普段から大きな犬を散歩させている人が多いので。

柵の中に入ってはダメ、食べ物を与えたり遊んではダメ、イヌを入れないでなと書いてあります

 

柵と雨除け小屋が設置されたなかで、羊くんたちはのびのびとご馳走を食べています。看板には「触ったり遊んだり食べ物をあげたりしないで」と書かれていますが、毎日ここを通る子どもたちの人気者に。コロナにテロに暗いニュースが多いいまのフランスですが、羊くんたちのおかげで毎日ほっこりあたたかい気持ちになっています。

※11月11日現在の状況となります。

 

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