ふるなび、さとふるなどのポータルサイト経由でふるさと納税をすると、独自のポイントがもらえていましたが、2025年10月からもらえなくなるかもしれません。というのも、総務省が「ポイント付与を付与する仲介サイトで募集を禁止」する方針を発表したからです。

ふるさと納税ポータルでポイントがもらえる仕組み

現状、ふるさと納税ポータルサイトでもらえるポイントはサイトごとに異なります。

たとえばふるなびは、寄附額に応じて独自ポイント「ふるなびコイン」がもらえ、Amazonポイント、PayPayポイント、dポイント、楽天ポイントに交換できます。

還元率は自治体や返礼品によって異なりますが、通常は1%ほど。ただし、支払い方法を指定のクレカにしたり、期間限定のキャンペーンを使ったりすることによって、+6%、+20%などが適用され、もらえるポイントが大幅に増える仕組みになっています。

ポータルサイトからのポイント付与がなくなってもポイ活はできる

今回、総務省が禁止を検討しているのは、「ポイントを付与するサイトでの募集」。もし発表どおりになると、ふるさと納税ポータルサイトは、ポイントを付与できなくなります。

ポイント付与ができないのにポータルサイトが運営を続けるかどうかは分かりませんが、「ふるなび」は発表を受け、サイトのトップページで、報道についての立場を表明。「当社はこれまでもふるさと納税制度の趣旨に則りふるなびのサービスを提供しており、今後も同様にサービスを継続して参ります」と述べています。

さらに、既に付与済み・付与予定の「ふるなびコイン」が引き続き使えること、見直しによって、「ふるなびトラベルポイント」や「ふるなびカタログポイント」などのふるなびオリジナル返礼品が使えなくなることもない──などと強調しています。

また、一部の事業者が反対の署名活動を始めたことも報じられており、今回発表された変更も、最終的にどうなるのかは分かりません。

ただし、ポータルサイトからのポイント付与がなくなっても、ポイントを貯める方法は、今のところあります。

それは、クレジットカード決済やQRコード決済を選ぶことで、クレカ・決済の会社からポイントをもらう方法です(しかし、こちらについても、仕組みが変わる可能性はあります)。

いずれにせよ、2025年10月以降は影響を受けることになりそうなので、2025年の納税分は、9月までにふるさと納税をしてしまったほうがいいかもしれません。

ふるさと納税の仕組みはこれまでも変更があった

ふるさと納税は2008年のスタートからこれまでに、何度かルールが変更されています。

最近では2019年からは返礼品の額を寄付額の30%以下、地場産品のみに限定されましたし、2023年10月からは、返礼品の額は諸経費を含めて50%以内というルールも導入されました。

また、たとえポイントがもらえなくなっても、ふるさと納税をすることで、2000円の負担で寄附先の自治体の返礼品がもらえます(寄附額も、自己負担分2000円を引いた金額が本来支払う住民税や所得税から控除されます)。

そう考えれば、ふるさと納税は、多少、制度が変わっても依然としてお得な仕組みと言えるのではないでしょうか。

文・谷口久美子(フリーライター/ファイナンシャル・プランナー)
大学職員を経験後、結婚・出産し、子育てをしながらFP資格を取得。現在は、金融メディアを中心に執筆活動中。20代で貯金1000万を達成、現在は世帯で年間300超の株主優待を取得。ポイ活にも詳しく、1年で約40万ポイント獲得した年も。

編集・fuelle編集部