もはや国民食と言っていいほど日本人の生活に定着しているサンドイッチ。ホットサンドや“萌え断”サンドも近年のトレンドですが、つい食べたくなるのが定番のタマゴサンドやハムカツサンドなのではないでしょうか?西武新宿線・上井草駅の近くにある『カリーナ 』はそんなレトロサンドイッチの老舗なのです。
喫茶店からサンドウィッチ専門店へ
上井草駅周辺は閑静な住宅街ですが、駅前に大きなスポーツ施設があり多くの学生たちが行き来する街でもあります。駅から北側に1分歩いたところにあるのが『カリーナ』。常にお客さんが訪れる人気のお店です。店主の種村耕一さんはお父様からお店を受け継いだ2代目。
「元々は西武柳沢駅の近くで喫茶店として営業していましたが、35年前にこの場所に移転しました。柳沢時代、父が知人からサンドイッチ作りのノウハウを学び喫茶店で提供していたんです。移転する際、喫茶店で出していたサンドイッチの販売をメインしたお店としてオープンしました」。
取材中もひっきりなしに訪れるお客さん。朝6時オープン(!)にも関わらず、開店直後からお客さんがいらっしゃるそうです。
「出勤や通学の途中で立ち寄る方が多いので9~11時がピークですが、開店直後はサンドイッチの種類が揃っているのでその時間を狙っていらっしゃる常連さんもいます。ランチ用にはもちろん、休日は朝食として買いに来るお客さんも多いですよ」。
みなさん普段から『カリーナ』のサンドイッチを買い慣れているのか、迷わずササッと買っていく姿が印象的でした。
1日に食パンは1500枚!こだわらない、“こだわり”とは?
カリーナのサンドイッチは定番の24種、そして2~3月にはいちごサンドがラインナップ。お食事系をメインに、ピーナッツやあんこクリームといったデザート系があるのもうれしいですよね。これだけの種類が揃っているサンドイッチにはどんなこだわりがあるのでしょうか?
「うーん、実は食材に対して強いこだわりはないんですよね。というのも、うちの商品はお客さんが買いやすいように価格を抑えるようにしています。なのであまり高価な食材は使えないんですよ。その代わり、手間はかけています」。
その言葉通り、種村さんはじめカリーナで働く皆さんの手は常に動いています。特に目を引くのが、「タマゴサンド」の具材。1日に200個(休日は300個)の卵を使っているんだとか!
「具材は全て店内で調理しています。タマゴの具材は手作業で和えることでなめらかな食感になります。機械でやってしまうと、余計な熱が加わってしまいこのなめらかな食感にはならないんですよ。『ツナと野菜』に入れるコールスローも自分たちでキャベツを切って、塩もみ&水抜きをしてからマヨネーズで和えています」。
そしてカリーナのサンドイッチを支えているのがふかふかの食パン。毎日早朝3時半と8時頃に2回工場から届く食パンを店内でカットしているそうです。
「正直焼きたての食パンを切るのって柔らかすぎて難しいんです(笑)。でも、焼きたての状態で切らないと、この食感をキープできません。毎日、150斤分の食パンを10枚切りにしています」。
単純計算すると、毎日15000枚の食パンをカットして、750個のサンドイッチを作っていることになります。すごい!
変化球なし!いつでもホッとできる定番のサンドイッチ
バラエティ豊かな『カリーナ 』のサンドイッチで人気のメニューは何なのでしょうか?
「タマゴサンド、ハムカツサンド、フルーツサンドが人気です。常連さんはツナサンド、野菜サンド、ポテトサンドを頼む方が多いですね」。
今回はその中から、タマゴサンド、ハムカツサンド、野菜サンドをいただきました。どのサンドイッチもひとくち口に含んだ瞬間、食パンのふわっとした食感にほっこりします。少し薄めの食パンは噛むとシュワッと溶けていくようです。癖のないシンプルな食パンはどんな具材とも相性抜群。優しい味わいの具材をふんわりと包み込んでくれています。
『カリーナ』のシンボルとも言うべき「タマゴサンド」は、老若男女に愛されるサンドイッチ。タマゴサンドの具材は、少し塩味を効かせた方がおいしいのですが『カリーナ』の具材はとても淡い味わい。食パンがシンプルな分、タマゴ自体の風味をしっかりと感じることができます。手作業で細かく刻まれた白身はとても滑らかで、食パンと一体となりすっと口の中でほどけます。
野菜は、キャベツのシャキシャキ感を楽しめる一品。タマゴサンド同様、こちらも優しい味つけ。マヨネーズで和えているものの、こってりではなく野菜の味が引き立つ程度に仕上げています。野菜はそれぞれとても細かく刻んであるので、野菜が苦手なお子さんでも食べやすそう。
男性に人気だというのが、「ハムカツサンド」。昔懐かしいハムカツ、レタスのシンプルな組み合わせです。香り付けのウスターソース、マスタードがアクセントになって、後引くおいしさです!
種村さんに今後の展望を伺うと、「今まで通り、変わらずやっていきたいですね」と答えてくれました。そこには常連さんに“日常”を提供していきたいという種村さんの思いが詰まっているように感じます。古き良き日本のサンドイッチが食べたくなったら、ぜひ『カリーナ』を訪れてください。
■お店情報
カリーナ
住所:東京都杉並区井草5-19-6
TEL:03-3301-3488
営業時間:6:00-14:00
定休日:月・火曜日
提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)
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