愛知県刈谷市では、7月27日(土)・28日(日)に「万燈祭(まんどまつり)」が開催される。詳細をチェックしていこう!

刈谷市を代表する夏祭り「万燈祭」

愛知県の無形民俗文化財に指定されている「万燈祭」。刈谷市銀座にある秋葉社の祭礼で、五穀豊穣・火難防除・町内安全を祈願する祭りと言われている。「天下の奇祭」と呼ばれる、刈谷を代表する夏祭りの一つだ。例年、多くの観客でにぎわう。

祭りの起源は1700年代の祭礼

宝暦6年(1756年)に建立された秋葉堂(現在の秋葉社)は、火伏せの神として信仰を集め、祭礼が行われていた歴史がある。古文書の「刈谷町庄屋留帳」によると、安永7年(1778年)の祭礼に笛や太鼓にあわせて万燈が登場したとの記述が見られたという。これを起源とし、昭和の初期頃から「万燈祭」と称されるようになった。

また、嘉永5年(1852年)には、秋葉社での雨乞い祈願に万燈が登場したとの記述も見られ、後の語り草となるほどの御利益があったとのことから、雨乞い祭りとしても古くから言い伝えられている。

見どころは「大万燈」&若衆の熱気


現在の祭礼は、7月最終土曜、翌日の日曜の2日間開催され、1日目を「新楽(しんがく)」、2日目を「本楽(ほんがく)」と呼ぶ。「新楽」では氏子町の7町(司町、新栄町、広小路五組、広小路、寺横町、東陽町、銀座)に加え、市内の企業や地区の万燈も参加し、10数基の大万燈と多数の子ども万燈が市内を練り歩く。

また「本楽」では、氏子7町の万燈が秋葉社の境内で舞を奉納する。この「万燈」は竹と和紙で作られた張子人形を色鮮やかに彩色したもので、多くは歌舞伎絵や武者をかたどっている。大きなものは高さ約5メートル、幅約3メートル、重さ約60キロ。これを若衆が一人で担ぎ、笛や太鼓のお囃子に合わせて舞う。

日が沈み色鮮やかで巨大な万燈に火が灯され、真夏の宵闇に浮かぶ万燈が舞い踊る様子は勇壮で、見る人の心を魅了する。また、角万燈に備えた太鼓の音と、笛の音色が相まって万燈の舞をいっそう盛り上げる。

特に「大万燈」は、毎年新しいものが製作される。各町内・企業が思いを込めて、何か月も前から取り掛かる力作ぞろいだ。細かいところまで手が加えられ、遠くから見ても、近くから見ても、迫力と緻密さが感じられる。

また、祭りに参加している各町の若衆が盛り上がっている様子も見どころだという。伝統と新しい力が融合し、発展し続けるお祭りを間近で体感しよう。