福岡市在住のライターが、地域のイベント情報をご紹介。今回は、7月6日(土)・7日(日)にリノベーションミュージアム冷泉荘にて行われる「れいぜん荘ピクニック&あおぞら市2024」を紹介しよう。

改修の痕跡まで楽しめる“リノベーションミュージアム”


博多の伝統文化が色濃く残る、福岡市博多区上川端町に位置する「リノベーションミュージアム冷泉荘」。築65年をこえる集合アトリエだ。

もともと集合住宅として建てられた冷泉荘。昭和に建設された当時は、周辺にはまだ木造家屋が並ぶ中、近代的な鉄筋コンクリート造の建物として注目を集めていたという。しかし、老朽化に伴って空室が目立つようになった。


そんな中、2006年に起死回生の一手として、一棟まるごとオフィスビルへコンバージョン。いまでは「ひと」「まち」「文化」を大切に思う人々が集まり、再びにぎやかなビルとなった。2012年には、第25回福岡市都市景観賞・活動部門にて部門賞を受賞している。


冷泉荘のオーナーである、吉原住宅の運営の基本理念は「福岡の古い建物を大切にする考え方の実践(ビルストック活用)」。そのため、冷泉荘では改修やリノベーションの際も、できるだけ使えるものは使い、工事の痕跡もあえて残している。

冷泉荘が歩んできた過程を、目に見える形で建物に刻み込むことで「ここは修理をしたんだな」「以前入居していた人はこんな内装が好きだったのか」と、その痕跡から想像して楽しんでもらう。“リノベーションミュージアム”とは、そんな「冷泉荘の建物そのものを、まるでリノベーションの博物館のように楽しんでもらいたい」という想いから名づけられた。

冷泉荘の魅力を発信する、れいぜん荘ピクニックを開催


冷泉荘では毎年1〜2回、オープンアパートイベント「れいぜん荘ピクニック」を開催している。この日は、冷泉荘で開かれるマーケットや各アトリエで開かれる入居者企画のイベント、部屋の見学など、冷泉荘をまるごと散策しながら楽しめる一日だ。


中でも目玉は、管理人による「冷泉荘ツアー」。冷泉荘のあゆみや改修ポイント、入居者の紹介など、ぱっと見ただけではわからない、いろんな話を聞くことができる。さらに、このツアーでしか見られないお部屋もあるのだとか。一棟まわるのに、長いときで1時間半もかかるという充実っぷりだ。


さらに、九州各地の作家やデザイナーがたくさん集まる「あおぞら市」も同時開催。丁寧に手作りされたアクセサリーや雑貨、お菓子、占いなど、1日たっぷり楽しめる見どころも豊富だ。