◆ラストシーンは背中になにかヒヤっとするものを

――出演の大きな決め手となったというラストシーンを実際に撮影にしたときは、どんなことを感じましたか?

杏「あそこは、拓未を演じた中須翔真君ありきでした。彼を見て、どんな感情が出てくるだろうかと。最後、私は背中に雨だれが落ちてきたような、なにかヒヤっとするものを感じました。もちろんそれだけではないんですけど、そういう感情が返ってきて、改めて“これはミステリーなんだな”と思いました」

映画『かくしごと』
――予想外の感情でしたか?

杏「生の感じが出せたと思います。特に最後のシーンに関しては、あまりテストをせずに本番にのぞみたいと関根(光才)監督にお願いしました。現場にレールを敷いてあったり、本当は、カメラワーク的にもいろいろテストをしたかったと思うのですけど、最後の感情の部分に関しては大切にしたかったんです」