秋田県五城目町の企業6社で設立された発酵パークは、6月22日(土)、五城目朝市の行われる中心市街地エリアに、全2室の宿泊施設『市(イチ)とコージ』をオープンする。

発酵パークプロジェクトについて

発酵パークは、「人が“発酵”し、まちが“発酵”する」を合言葉に、2023年に始動した。五城目の地域資源を活かしながら、新たな挑戦者がいきいきと活動できる環境づくりを目指し、地域の企業6社が集結。酒造・交通・土木・林業・教育・アートプロデュースという異業種チームの強みを活かした事業を展開している。

五城目の朝市では、誰か一者が突出するのではなく、いくつものチャレンジが互いに個性を出して共存できる文化が500年醸されてきた。同プロジェクトは、「あたかも発酵現象のように、微生物≒個々が魅力的に活動する先に、この先500年続く豊かさ」が醸されると信じて活動している。

朝市での人々の出会いによりまちが“発酵”する五城目


秋田県中央部にある五城目町は、古くから国内各地の旅人が行き交う中継地として朝市が栄え、活発な往来とともに生活文化が混ざり合い、町の景観や文化があたかも“発酵”するかのように自然と形作られてきた。近年は従来の朝市出店者に加え、町内外の若者や子育て世代による新たな小商い・多種多様なチャレンジが拡がっている。

また、山間部の廃校を活用したシェアオフィスでは、起業家・研究者・料理人らが入居し、地域の魅力に新たなアイディアと技術を掛け合わせた取組みが生まれており、地域の未来を拓く企みの「タネ=まちの発酵菌」があちこちに蒔かれ続けている。

朝市の行われるエリアには、2016年以降、遊休不動産を活用したカフェ・ショップ・工房・ギャラリー・あそびば・シェアハウスなどが誕生し、徒歩圏内の楽しみ方が拡がっている。

そんななか、まちの“発酵”をさらに促すべく誕生するのが、分散型ホテル1棟目となる『市とコージ』だ。


『市とコージ』は、かつて朝市を訪れる旅人を迎え、地域の名士が集う社交場としても親しまれた旅館跡地に立つ古民家を再生して誕生した。

五城目は普段は静かな町だが、クリエイティブで個性的な人々が暮らしたり訪れたりしており、町のあちこちで面白い企みが生まれている。例えば、地元食材を使った即席の料理教室に参加できたり、古民家を改修したアートギャラリーでアーティストの作品展と出会ったり。

ユニークな出会いや体験を楽しみ、ときには魅力的な企みに巻き込まれて、まちを一緒に発酵させてほしい。『市とコージ』には、まちの発酵を促す「麹」が増える麹室(こうじむろ)でありたいという願いが込められている。