サポ住講演会実行委員会は、KINOPPIの代表取締役・紀林(きのはやし)氏が登壇する「障がいがある方が地域で安心して暮らせるやさしい街づくり講演会」を、6月15日(土)に、沖縄県立博物館・美術館にて開催する。

KINOPPIの取り組み


KINOPPIは、「障がいがあっても住まいを選べる世の中をつくる。」という経営理念のもと、軽度障がい者向けのグループホーム「キノッピの家」を運営する会社として、2018年に設立。1号棟が2020年に開設された。

KINOPPIでは、障がいのある人が地域で安定して暮らせるようにするためには、当事者だけでなく、地域住民の暮らしの質の向上にも配慮することが重要と考えている。

KINOPPIのグループホームでは、スキマ時間を活用しながら社会貢献事業に参画する「シニア向け社会貢献型採用」を積極的に行い、地域の高齢者をスタッフとして採用している。

地域の高齢者が地域にいつまでも必要とされる働き方を提供していくことで、新たな雇用を生み出すと同時に、高齢者の生きがいと社会からの孤立防止にも役立つモデルにできればと考えている。

さらに、利用されなくなった戸建てやアパートなどを積極的に活用。周辺の生活環境を劣化させる要因になる空き家問題の解決を目指しながら、福祉住宅としてリサイクルしている。

そうすることで、地域住民の生活環境にとっても、スキマ時間で働きたいシニアにとっても、また障がいのある人とその家族にとっても、「やさしい街づくり」ができるように取り組んでいる。

2つのテーマに分けて開催


紀氏が登壇する「障がいがある方が地域で安心して暮らせるやさしい街づくり講演会」は、パート1とパート2にテーマを分けて開催される。

地域に福祉サービスを導入することにより、新たな社会生活基盤を生み出し、障がい者を地域の暮らしに根付かせると同時に、地域コミュニティの強化やシニアの就労機会創出を可能とする新しいまちづくりの考え方が紹介される。

パート1のテーマは、地域の社会問題について。「個別サポート付き障がい者向け住宅」と「障がい者向けコワーキングスペース」という地域コミュニティ主導型の福祉サービスを導入することで、地域に新しい社会生活の基盤が誕生し、地域の人々がいつまでも誰かに必要とされ続ける「やさしい街づくり」が実現している事例が紹介される。

同時に、障がい者の家族の「8050問題」、「高齢者の地域雇用創出」や「空き家のリサイクル」など、社会課題にもつながっていく話も共有される。

パート2のテーマは、障がいのある人を抱えている人へ。実際に障がいのある人を抱えている親や親族に向けて、当事者が家庭や施設・病院などの暮らしから、地域の中で生活ができるようになるための、より具体的な障がい者グループホームなど福祉サービスの選び方と、その賢い利用方法が紹介される。

障がいのある人が、地域での暮らしを自ら望むように支援することの重要性についての話や、質疑応答なども予定されている。