◆私を脅かすのは誰?

主人公・ヒバリが最初に鈴の音を聞いたのは、アルバイト先の同僚、タクローがスマートフォンに付けていたストラップでした。

彼の祖母の形見だというその鈴の音が、なぜか頭から離れません。ヒバリが行く先々で、チリンという鈴の音が追いかけてきてくるのです。ついには、家のドアの前にタクローが立ち尽くしていて…。

ことの発端は小さなことでも、一度気にしてしまうと頭の中にこびりついて、やがて伝染病のように体中をむしばんでしまうもの。ヒバリの毎日は鈴の音に支配され、鈴の音の恐怖はそのままタクローへの猜疑心(さいぎしん)へと変わっていきます。タクローはストーカーかもしれない、そんな妄想に苦しめられていくのです。

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