芥川(間所)紗織の生き様が表現された作品
芥川(間所)紗織の作品は、溶かした蝋で布に絵を描き染色をして、蝋を落とし水洗いをする工程を繰り返し、1枚の多色の作品を作り出す「ろうけつ染め」の技法を駆使し、色彩豊かに表現されている。
強烈な叫び声を上げているような女性を描いた「女」というタイトルのシリーズは、同氏の作品の傑出した特徴であり、自画像ともいわれている。
日本文化の源流である古事記などを愛読し、そこに現れている神話や民話の登場人物を独自の解釈で仕上げた作品は、いつまでも色褪せることなく、そのパワフルなエネルギーは観る者を圧倒する。
豊かな意欲にあふれ、常に新しいテーマや手法を模索して、渡米後に無機的な抽象画を描くことで作品が一変していることは、画家として新境地を開き続けようとする芥川(間所)紗織の生き様そのものだ。
この機会に、41年の生涯を駆け抜けた前衛女性画家・芥川(間所)紗織の世界を堪能してみては。
芥川(間所)紗織生誕100年特設サイト:https://saori-100th-anniversary.com
※プロジェクト「Museum to Museums」は、各美術館が主催する展覧会等を紹介し、関連情報を案内するもので、芥川(間所)紗織アーカイブ実行委員会が展覧会等を主催・企画するものではない。
(佐藤 ひより)