2006年の創立以来数々のコンテストで優勝を収めてきた、神奈川県横浜市旭区・若葉台を拠点に活動する創作和太鼓集団「打鼓音(だこおん)」は、6月9日(日)、全国の和太鼓奏者と共に和太鼓で横浜を盛り上げる演奏会「横浜太鼓祭」を横浜市緑公会堂にて開催する。

若手奏者を積極起用

「横浜太鼓祭」は、“文化で横浜を盛り上げよう”を合言葉に2019年より開催されている和太鼓演奏会。昨年6月の開催は満員御礼の大盛況で、その盛況を受け、今年も横浜市緑区との共催で行われる。

今回は「若手育成」をテーマに、若手の奏者を積極的に起用。今までは大人による演奏だった「大太鼓三本打ち」も、今年はジュニア(小中学生)による演奏を予定している。演奏する小学6年生の笠原朝日(千葉県)さん、中学1年生の赤羽幸之助(長野県)さん、「打鼓音」ジュニア所属で中学2年生の坂本陽向汰(神奈川県)さんは全員コンテストでの優勝経験を持つ実力者だ。

また、全国大会の常連「和太鼓 凪(千葉県)」をはじめ、有名な篠笛奏者であり、めったに演奏会には出演しない吉村城太郎(愛知県)さんの演奏も予定されている。

能登半島地震で被災した奏者も演奏


「横浜太鼓祭」は、もともと新型コロナウイルスによる演奏機会縮小の中、全国の和太鼓奏者に演奏の場を提供するためにスタート。今回は、その助け合いの精神のもと、今年1月に発生した能登半島地震で被災した奏者、「輪島和太鼓 虎之介」所属の今井昴氏さんを呼び、演奏してもらうことになった。

「輪島和太鼓 虎之介」と「打鼓音」は20年来の交流がある。今年元日の能登半島地震で「輪島和太鼓 虎之介」は練習場所・演奏機会を失い、今後のコンテストへの出場も危ぶまれている。「打鼓音」は活動支援のため、募金活動、応援メッセージを添えた横断幕も準備したという。

今井さんは、石川県輪島市に生まれ育ち、学生時代は「輪島和太鼓 虎之介」にて和太鼓に触れ18歳まで活動。高校卒業後修行を積み、プロ演奏者として世界30カ国以上で2000回以上の公演を行った。昨年1月、横浜で行われた大太鼓コンテストで優勝、文部科学大臣賞を受賞し、日本一に。さらに、今年3月に行われた熊本大太鼓コンテストでも優勝。世界中で演奏してきた経験を生かし、来場者との一体感を大切にした演奏を目指して、作曲・指導活動も行っている。

また、演奏会にはそのほか「小佐治すいりょう太鼓(滋賀県)」「華音(神奈川県)」「打鼓音ジュニア(神奈川)」も出演する。