初来日を果たし、先日のGREENROOM FESTIVAL ’24で日本初公演、5月28日(火)の渋谷Spotify O-Eastで日本初単独公演を決行したTones and I(トーンズ・アンド・アイ)。今回tvgrooveは28日のライブ前に時間を拝借し、彼女に独占インタビューを行った。


28日のライブレポートはこちら


Tones and I インタビュー

お話できて光栄です!日本に来られたのは今回が初めてですよね。日本はいかがですか。

トーンズ・アンド・アイ:日本大好きだよ、大好き!ファッションもクールだし、日本のみんなはすごくフレンドリーで清潔感があって明るくて楽しい!すてきな人たちだね。

GREENROOM FESTIVALが日本のファンの前での初パフォーマンスとなりましたね!ライブはどうでしたか。

トーンズ・アンド・アイ:それはもうすばらしかったよ…。花火も上がるし照明も綺麗だし、最高のファンたちが楽しく私を受け入れてくれた。みんな、歌うのも踊るのも声援を上げるのも大好きなんだね!最高の観客だと思ったよ。

日本人のリアクションは世界的には静かな方だと思いますが、SNSを見ると今回のフェスのステージではすごく楽しそうに盛り上がっていたように思います!あなたのパフォーマンスに心を動かされたファンの投稿もたくさん目にしました。

トーンズ・アンド・アイ:わあ…!(満面の笑顔)

フェスであなたが「Diamonds」(リアーナ、シーア)のカバーを歌ったこともSNSで話題になっていました。カバーソングにこの曲を選んでいる理由は何でしょうか。

トーンズ・アンド・アイ:私とオーディエンスに一体感を与えてくれるような曲が好きなんだ。私や私の音楽を知らない人もいることはわかってるから、そんな人たちも一緒に楽しめるように、いつも1,2曲はカバーを歌うことにしているの。特に「Diamonds」に関しては、オーディエンスに“Phone Torch”(スマートフォンのライトを点けて掲げること)をお願いすることが多いんだ。会場全体がダイヤモンドのように輝いてきれいだから。

でもフェスではみんな一日中会場にいたでしょ?スマートフォンでそんなことをさせない方がいいかなと思って頼まなかったんだよね。頼んだ方がよかったかなあ…?でもきっと今夜のステージでは頼むと思うよ!(有言実行、28日のライブで彼女は“Phone Torch”に包まれた。)

ライブ以外で、初の日本で楽しんだことや、これから楽しむ予定のことはありますか。

トーンズ・アンド・アイ:来週末には帰るんだけど、とりあえず富士山は見に行きたいな!有名な人気スポットにはなるべく行きたいし、行けなかった場所はまた来日して回りたい。京都みたいな観光名所を探検したり、SNSでしか見たことがないところを実際に体験したいな。

それから、(3月に)ご結婚を公表されましたよね!おめでとうございます。Instagramに投稿された写真がとても綺麗でした。結婚したことや、結婚を決めたことによってあなた自身や、音楽に何か変化は感じますか。

トーンズ・アンド・アイ:お祝いありがとう!(結婚を)オープンにした今だから言うけど、これまで歌の中で愛や人間関係を見出すことってあまりなかったんだよね。でも次のアルバムのための曲では、これまで私が書いたこともなかったような、愛や人間関係についての正直な気持ちを書けているように思えるな。ニュー・アルバムでは、そういった要素が大きな部分を占める曲が増えるよ。

私も初めて楽曲を聴いた時から、あなたの唯一無二の歌声にすっかり夢中になってしまいました。ご自身の歌の才能に気づいたのはいつ、何がきっかけだったのでしょうか。

トーンズ・アンド・アイ:歌のレッスンを受けたわけではないけど、6歳くらいの時から合唱団にいて、歌には慣れ親しんでいたよ。

私自身は自分の歌声をそこまで高いと思っていなかったんだけど、1枚目のEPをリリースしたらみんなが「わあ、なんて高い声なんだ」って反応したんだよね。普通だと思っていた声が特別なものなんだって知ってから、よりいっそう歌うのが大好きになったし、自分の声を自分のものにできるように努力するようになったんだ。

合唱団といえば、「Wonderful」のミュージック・ビデオでも、あなたは合唱団を指揮していましたね!これまでも合唱団とは関わってきたのでしょうか。

トーンズ・アンド・アイ:うん、あれは私が所属していた合唱団の仲間たち。私自ら合唱団のみんなそれぞれに異なるパートを歌ってもらうようにメロディを作ったんだよ。イメージは弦楽の重奏みたいな感じ。チェロがあったり高い音のバイオリンがあったりっていう感じで曲を書いたよ。

合唱メンバーのほとんどは本当に長い付き合いで、仕事も数年間一緒にしているんだ。2年くらいの付き合いの新人メンバーもふたりいるけど、彼らも含めて今や私にとって家族・親友みたいな存在だよ。彼らの名前をサプライズでタトゥーにしたことがあるんだけど、これを見たみんなは泣いて感動してくれたよ。みんなは私の結婚式の歌も歌ってくれたんだ。

合唱団の仲間たちの名前は彼女の腕に刻まれている

合唱団の仲間たちの名前は彼女の腕に刻まれている

「Wonderful」がリリースされたときはちょうど私(筆者)の気分が少し沈んでいた時期だったこともあり、寄り添ってくれるような歌詞にすごく支えられました。

トーンズ・アンド・アイ:わあ、本当に嬉しいよ、ありがとう。

そんな「Wonderful」の歌詞にはどのような思いを込めたのでしょうか。

トーンズ・アンド・アイ:元々は私の妹のために書いた曲なんだけど…私は「誰もが、寄り添って話を聞いてくれる人を必要としている」と思っているんだ。つらくて悲しい時って、どうしようもなくなるよね。誰かがすごく落ち込んでいるなら、友達として同じ視点に立って、「あなたも私も同じだよ」って伝えてあげたい。今それが必要な人たちに対して、そして時には自分に対しても伝えたい、そんなメッセージを「Wonderful」に込めたつもりだよ。

「あなたはすでに特別な存在だよ、私はそのままのあなたを愛して受け入れるよ」と伝えるために、私はこの曲を書いた。誰もがこういうメッセージを必要としていると思うし、私にもそう言い聞かせなきゃいけないと思ってる。

Tones and Iの楽曲では声にエフェクトをかけていないという話を耳にしたことがあるのですが、あの「I Get High」でも同じなのでしょうか。ブリッジ付近の明らかにエフェクトがかかった部分はともかく、サビはエフェクトなしで歌っているのでしょうか。

トーンズ・アンド・アイ:うん!(なんと実際に歌を交えて解説を開始。)サビの始まりは「You just got that…」みたいに穏やかに歌い始めて、徐々に声を強めて、サビは「You just got that!!!」って感じで、これ以上出ない最大の発声を心がけてる。それだけでなく、かなり強くスタッカートを意識して音を切るように歌っているの。だから(エフェクトなしでも)あんな感じの響きになっているんだよ。ブリッジ部分のリバーブは、言ってくれた通りエフェクトだけどね。

Tones and Iの楽曲はサウンドに広がりのある曲も多く、音源とライブでは大きく変身する曲が多いと思いますが、特にライブで歌うのが好きな曲を1,2曲挙げるならどの曲ですか。

トーンズ・アンド・アイ:「Fly Away」だな!公演のラストに歌うことが多い曲だよ。みんなが「Dance Monkey」を好きなのは知っているけど、祝福のような「Fly Away」で、花火と一緒に歌ったりして終わりたいんだ。美しいメッセージを込めた歌だしね。

次に挙げるなら「I Get High」か「Charlie」かな。ファンキーで、みんなで楽しく踊れる曲でしょ!

Tones and Iの楽曲には個人的な心情・考えを歌うものもあるし、マイノリティに寄り添ったり、社会に横たわる問題を訴えるものもありますね。今後の曲作りはどのようなフェーズに向かうのでしょうか。

トーンズ・アンド・アイ:私の作品は常に私という人間を表すものだから、その部分はこれまでもこれからも大きく変わらないと思う。でももっとバラエティ豊かなスタイルで作っていけたらいいなとは思うよ!バンドやオーケストラの生演奏が活きるような曲もやってみたいね。

最後に、日本のファンに一言メッセージをお願いします!

トーンズ・アンド・アイ:こんにちは!Tones and Iだよ。みんなのこと、大好きだよ。あなたの美しい国に私を歓迎してくれてありがとう。最高の時間を過ごさせてもらったよ。愛してる、またすぐ会おうね!

(インタビュー以上)